禅タロット小アルカナ考察:虹の4・THE MISER | 穂積の覚書

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虹の4・THE MISER(けち)です。

英語の発音って難しいよね。○○のカードですって言うときに読めないんだよね雲の2とか。

穂積です。英語のRが発音できません!(ヒロシわりと好きです)


穂積の覚書-気まぐれ屋本舗-72

おばさん……おばあさん……妙齢の女性が、宝物を抱えています。いわゆる金銀財宝って奴です。

手前には岩の壁。女性と一体化してるようなしてないような。

御本人は帽子に毛皮。でも顔色悪い。

岩壁から滑り落ちようとしている緑色の布っぽいものがとても象徴的で気になる。

実に物質的で即物的なカード。



何もなかったところからやっとイイカンジのものが手に入りましたやったー! と、その直後にそれを手放せと言われたら……多分大体こんな感じになると思う。

けち。守銭奴。強欲。死守。何と言われようと絶対手放さない。


絵では分かりやすく金銀財宝だけれども、割と人間的に執着して手放さないものってのは多いと思うんだ。


特に興味はなかったけど手放すとなると惜しくなる、そういうものとか人間関係とか。

今は通用しないと薄々分かっているけど、これまでずっと成功してきた方法とか。

○○年ずっと抱え込んできたダメな自分とか。


なんかねえ、なんで手放さないの? って言われてもどうしても手放せないもの。

これがなくなったら、自分が芯から崩壊するんじゃないかと思うくらい、手放すのが怖いもの。


まあ、これは実際口に出してみたら「あ、そうでもないな……」って薄々思うんだけどね。

生きていくだけなら割と出来るし。そこに付加価値をつけたいだけで。

生きていく「だけ」では辛い。最低限の安全と最低限の寝食の他に何もない、その状態に人間は耐えられない。

だから所有物を求める。満足を求める。保証を求める。

この絵の岩壁のように、抱え込んで守ることこそが支えになる。この人の形を保つ。


執着心ねー。ありますよー。もう滅茶苦茶やりたいことあるもんな。私の人生からこれ抜いたら他に何のために生きたらいいのってことなー。あるよー。

だから分かるんだけど、その状態ってその「大事なもの」自体をもう見てない。

このカードの女性もそうだけど、手の中の宝物を見ていない。

見てるのは、取られるんじゃないかという不安と、取るかも知れない、いるかいないかもしれない敵だけ。


これはどっかで聞いたか読んだかした話だけども。

テーブルの縁に今にも落ちて割れそうなグラスがあったら、解決法としては落っこちないところに移動させる。

でも不安が高じて、無意識に自らそのグラスを叩き落として、「ああやっぱりこうなると思ったんだ」「もう落ちるかもって心配しなくて済む」と安心する人もいる。


グラス自体ではなく、「落ちる」という不安だけに目を向けている。

その時点でグラスがどんなに大事なものでも、もうどうでもよくなっている。


そういう警告カード。



んでも良い意味が全くないわけでもなく。


この人堅実ですよね。ギャンブルに出ない。手の中の物は増えもしないが減りもしない。

禅タロットでは危うさが強調されてるけど、会社とか経営者にとって「しっかり利を堅守する」ってことが大事な時、ありますやね。

冒険して開拓する時期と、足元を固めて安定させる時期と、改善して飛躍する時期。

その、安定させる時期って感じがします。

引いた人が今どんな時期なのか、どうしたいのか、何を求めているのか、どういう状態なのか。

それによって大きく意味の変わるカード。


勿論、出方が悪い時は「守りきれない」ことになるので、注意が必要。

総じて警告カードにはなるけども、私はこのカードの女性は嫌いになれないんだよな。

なんだろな。ツンデレのツン期って感じ?

執着を手放したら、この人は与える物がたくさんありますよ。そん時にどんだけ柔らかい美人になるか、楽しみだなあとかね。