神経発達症(発達障がい)児が学童保育を利用するケースは年々増加していますよね。

"ただそこにいる"状態で、それを支援員が"ただ見ている"ならいられるわけで、トラブルも起きるわけです。

問題なく過ごせているように見えても、そう見えているだけで、子どものメンタルヘルスが少しずつ悪い方へ傾いていっていることもあります。

例えば、友達とも楽しそうに遊び、トラブルも無く、一人で工作や読書もできるため、メンタル比較的安定した状態で過ごせるようになったなと評価していた矢先、保護者から「実は帰宅後にストレス反応を示していて…。その原因が放課後児童クラブにあるんです。」と相談を受けるのです。

一人でする工作や読書も、それは楽しんでいるわけではないのだと聞かされるのです。

友人関係の中で、友達を遊びに誘って断られることも当然あるわけですが、それが本人にとってはとんでもなく悲劇的なことであると。


放課後児童支援員の評価と真逆ですよね。

保護者の話を聞いてから子どもの過去の言動を振り返り、保護者からの情報を統合してようやく全体像が見えてきます。

そういえば最近昼寝をすることがあるが、それは逃避行動だったのか!?と気付くのです。

一緒に遊べているからといって安定的な関係ではないこともあるのかと知るのです。

ただ、発達支援を学んでいないのだから気付けなくて当然なんですよ。

療育を学んでいないのだから介入しきれなくて当然なんですよ。

そして全体像が見えたとして、どうするのが最善なのかは、支援員だけではわかりません。

ストレス反応を示しているのだから、早期に対応が必要なことは明らかなんですけどね。

しかし、そもそも本人への発達支援が現状どこがどこまでサポートしているのかすら情報も持っていないし、発達支援センターなどと連携できていないので、支援員になす術はありません。

このまま「本人が楽しめていないから」と放課後児童クラブを退所したら?

より良い環境に身を置ければ良いですが、ただ留守番することになったら、友達との摩擦への対処方法を学ぶ機会を失ってしまわないか。

かといって、ここでこうしたらきっと良いんだと浅い見識で介入しても絶対に本人のためになりません。

やはり支援員は、発達支援センターや行政保健師に助言を求める必要があるのです。

そして保護者にも、大きな結論を出す前に、発達支援センターや行政保健師に相談してみるよう伝える必要があるのです。