低学年の不登校は、本人も家族も周囲も理由がよくわからない、または理由がないと言われることもあります。

ただ、学童保育の現場では、特に1年生の行き渋りは母子分離不安であることが大半かなと思っています。

母子分離不安自体は低学年まではままあることなので、愛着形成をしっかりすれば少しずつ自信をもって活動の範囲を広げていけます。

…この愛着形成がうまくできない親子がとても多いのです。

学童保育所や放課後児童クラブに所属する子どものほとんどが、この問題を抱えていると言っても過言ではありません。

共働きや片親などの理由で乳幼児期という早期から分離体験してきた子ども達の、小学生になってからの困った言動の要因の大半は愛着形成不全だと実感しています。

親と離れるのが寂しいのではない、寂しすぎるのです。不安なのではない、ものすごく不安なのです。

こうなれば、預けられることに慣れるとか我慢するとか、そんな次元を超えて子どものメンタルヘルスへ悪影響を必ず及ぼします。

逆に親に固執し、家に固執します。

親と一緒にいたいのにそうは言わず、「家にいたい」と表現する子どももいます。

「ゲームできるから。タブレット見れるから。」

本当はもっと大事な理由あるじゃん!といつも思います。

学校で頑張ってみる気持ちよりも、家族を感じる家にいたい気持ちの方が子どもには大事なのです。

そりゃあ学校に行きたくないですよね。



そして不登校になる場合、この母子分離不安をベースに、さらに他の問題が絡んでいることがあります。

一つは神経発達症(発達障がい)です。

なぜ不登校になるのか。

理由は一人ひとり異なりますが、神経発達症(発達障がい)が無関係ではいられないケースは多いと聞きます。

そうなればアプローチする部分も方法も、現状で大人が対応しようとしているものとは違うものになるはずです。

だって脳神経の話ですもん。

ただ学校に行けないのではない、ただ学校に行かないのではない。

なぜ行けないのかに、やはりちゃんと向き合う必要があるのです。

ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動症)、LD(学習障がい)にとって、学校教育は苦痛であることが多いです。

診断がある場合はもちろん、グレーゾーンにとっても苦痛極まりない場になっていることも多いです。

コミュニケーションスキルに課題のあることも多いので、友達との些細なことから大事までトラブルがどうしても頻発します。

サポートなくして社会性を身に付けるのは、なかなかに難しいのではないかなと思います。

神経発達症の子ども達は、自己肯定感を高めにくいとも言われています。

スモールステップでの成功体験を積み重ねていくことで自己肯定感を高めていけるわけですが、周囲の声かけの仕方やサポートが適切にされなければ難しいのが神経発達症です。

不適切な場合、学校に行きたくない、行けなくなるのは当然なのではないかなと思います。