先日、学童保育で児童約40人をプールに連れていき、児童一人が溺れて亡くなったというニュースがありました。
はっきり言って、学童保育でプールは無理です。
考えてみてください。
親1人で子ども何人プール連れて行けますか。
筆者も親ですが、生かして帰る自信がなくて一度も一人で子ども2人をプールに連れて行ったことはありません。
毎回命がけの授業だと子ども達に教え、準備体操も真面目に取り組ませますよね。
一方学童は皆プールに"遊びに行く"のです。
"遊び"の時点で支援員の指示が通りにくくなります。
異年齢の集団ですから、低学年ほどさらに指示は通りにくくなります。
そして神経発達症(発達障がい)で、元々指示が届きにくい子どもも数人ではなく、何人もいます。
にも関わらず、支援員数名で児童数が40人、100人でもプールに連れて行く学童保育所や放課後児童クラブ、ありますよね。
筆者には信じられません。
「何かあっても責任は負いかねます」とか「自己責任でどうぞ」なら行けるかもしれませんが、恐ろしくて拒絶します。
だって筆者は泳げませんからね。
放課後児童支援員の皆が泳げると思ったら大間違いですよ。
水難救助の訓練の体験も無いですからね。
目の前で子どもが溺れたら、119番通報するのみです。
元看護師なので、心臓マッサージならできますよ。
責任の所在はどこにあるんですかね。
公立なら時給働きの任用会計年度職員ではなくて、自治体が謝罪するんでしょうけど。
責められるのは支援員であることに変わりはないですからね。
時給に命の責任背負わせるっていうのもおかしな話なはずなんですけどね。
…どう考えたって、学童に自分の子どもをプールに連れて行ってほしいなんて思わないですよ。
でも大半の親は仕事で忙しいですから、「プール連れて行ってもらえてラッキー」くらいにしか思ってないのです。
だから、親も学童でプールに行くということに対して、もっときちんと考えなければいけません。
児童数に対する支援員数が十分なのか、入水時の安全管理はどうなっているのか。万一の場合の手順はどうなっているのか。
自分の子どもの遊び方、人の話の聞き方。泳ぎのレベル。
安全への意識付けは、やはり親がしなければ。
支援員がどんなにプールに行く前やその場で声かけしても、誰も何も聞かないのですから。
そしてどんなに泳ぎが上手でも溺れることを前提に対策を練らねばいけません。
たった数cmの水かさでも溺れるのが子どもなのですから。
筆者の放課後児童クラブでは、コロナ禍を機にプールへ連れていくことはやめました。
15名ほどの児童数ですが、子ども達の特性や支援員の人数や救護スキルを考えたら、本当に安全を担保出来ないんですもん。
「プールに行かなくなった。」
「連れて行ってくれなくなった。」
言われます。
「すみません、支援員の数も不足していて、安全を考慮した結果です。」
と言いながら、心の中では
誰かが溺れて死ぬよりマシだ
と思っています。
命最優先。
安全第一。
よく「慎重になりすぎて体験させないのは良くない」とも言いますが、敢えて声を大にして言います。