放課後児童クラブや学童保育所の現場から、どんなに質の向上や必要機関との連携を訴えても、全然やらせてくれない、寧ろ妨害されるという話は、これまでの記事でたくさん書いてきました。

なぜこんなに話が通じないのか。ずっと悩んできました。

我々放課後児童支援員が考える学童保育の在り方と自治体職員が考える学童保育の在り方が、あまりに違うのです。



昨年度も大変苦労した我が放課後児童クラブ。

今年度も入所児童の個別対応や集団保育がとても難しい状態で、放課後児童支援員の心身の健康状態も良くなく、せめて発達支援センターに現場視察や巡回相談、助言をもらいたくて所属長らに申し出ましたが、現場の力量不足と一蹴されました。

現場の現状や次月の勤務体制を組むことすら苦労していることなども話しましたが、乗り切るしかないと言われました。

誰が我々を助けてくれるのか、公務員に助けてもらえないなら、どこに掛け合えばいいのかとも問いましたが、かわされました。



次の日、同自治体内の別の放課後児童クラブに行ってきたと言われました。

いかがでしたか?と聞くと、次のようなことを教えてくれました。

玄関が狭い。

支援員が受付をしている。

体育館のようなスペースがある。

子ども達が過ごす部屋に絨毯は敷かれていない。

机と椅子は学校と同じ。

過密。

あちらはあちらで大変そう。でも見れてる。



…知らないよりは知れて良かったですよ。保育環境の整備も大事ですからね。

ただ我々が知りたいのは、こういうことではないのですよ。

わかってもらえますか?

我々が知りたいのは、全体数に対する介入に工夫が必要な児童の割合、それに対して実際にどのような保育をしているのか、ただ見ているのか、介入しているのか。

加配の有無、発達支援センターとの連携状況、小学校との連携状況。

支援員の労働意欲、学童保育の在り方への意見、展望。



「決して良いと言える環境じゃないけど、少ない支援員数で大人数の子ども達の面倒ちゃんと見れてるよ」ではなくて、その見てきた保育環境の改善の余地がどこにあるかまで考えてほしい。

発達障がいやグレーゾーンの子どもを、決してそうは捉えません。定型発達と同じ、数としてしか見ていないのです。

現状が子どものためにならないともの申せば、「親御さんにその気はない」とか「家庭が決めることだから」と、保健福祉の精神すら欠如しています。

「時給働きなんだから、そこまで頑張ることない」「時給の範囲内で最低限やればいい」と労働意欲を削ぐ。

「怪我さえせずに帰せればいい」と学童保育の目的・役割すら理解していない。

学童保育は子どもを預かる場ではない。育成する場だと何度言っても理解しない。



では、直属の組織ではなく、自治体の議会や自治体の長にもの申せばよいのか。

いやいや。

皆さんも自治体の広報などで議会の記録見てみてくださいね。その問答の一言から、その人物の知識や人間性全て表れていますから。

私の自治体長も学童保育については無知です。児童や支援員は数でしかなく、質の向上など関心の無いことが一目瞭然で、絶句しました。

自治体として学童保育に関心がないということは、子育て施策という観点も持ち合わせていないことも露呈していますよね。


さぁ、どうしましょうね…

そして同じ意識の差が保護者にもあるので…
もうどうしようもないのかもしれません…

誰なら子ども達に関することを本気で考えてくれるのでしょうね。