今回は、筆者が公立の放課後児童クラブで働く中で感じることについて書いてみたいと思います。

公務員の組織の内部事情は知りません。誰が誰を評価していて、それがその後の出世にどう影響しているかなんて知りません。知る必要も、そこを気にかけて放課後児童支援員が振り回される必要もないと思っています。

医療や福祉、保育などの人間の生命や人権に関わる仕事でも、組織をまとめ導くという役職は大事です。しかし、その役職に就くために働いている人はどれほどもいないでしょう。目の前の患者や利用者、子どものために最善を尽くし続けた結果、質の向上を目指す組織を作るにふさわしい者として選ばれるのです。

そして患者や利用者、子どもの健康や権利のために他職種が連携しています。

放課後児童クラブや学童保育所もこのような組織であることが望ましいはずなのですが、現状は公務員組織に埋もれて全く機能していません。

そもそも非正規職員ばかりで形成されるため、自治体の組織図にも載らない、あって無いものとして扱われているところもあります。ぜひ、ご自身の自治体の組織図を見てみてください。

この時点で組織としての信用性はあるのかと疑問に思うわけですが、そこに気付く支援員や保護者もほぼいないのです。


放課後児童クラブや学童保育所は、自治体の保育係や子ども課といった部署が所管しています。

放課後児童支援員でもなく、保育や教育を学んだわけでもない、公務員が配属されています。

彼らが現場の声を聞きもせず、運営方法等について共に話し合うこともなく、決定事項のみを現場に下ろすのです。

現場の支援員人数や子どもの特性、加配の必要性などを考慮しない勤務体制や勤務時間を通達してくるのです。

支援員会議での議題を資料として作成して提出すれば、相談もなく項目を削減されます。

調査票の質問項目をより意味のあるものに変えようと書式を作成して提出すれば、相談もなく、なぜ変える必要があるのか説明する場すら設けられず、3ヶ月以上も「上で話をもんでいる」と言われ続けるのです。

学校に繋がろうと、子ども達の現況をまとめた資料を作成して持参しようとすれば、「そこまでする必要ない」と阻まれます。

虐待のリスク評価して報告すれば、「それぞれの家庭の方針もあるしね」「人ん家のことだからね」と言われます。

発達支援センターに繋がろうとすれば、「色々な子がいるからね」と個性扱い。

質の向上を訴えれば、「そんなに頑張らなくていい」「ただ子どもを安全に保護者に返せればいい」と言われる始末。

中から突っついて駄目なら外から突っつこうと、他の部署の人に相談すれば、いい年した大人が伝言ゲームで真意が伝わらない。

周り回って耳に入って、どういうことだと言っているようですが、だったら現場としっかりコネクトしなさいと言いたいのです。

一体誰のために、誰を向いて仕事しているのですか?

放課後児童クラブは、子どもの権利や健康、発達支援のためにあるのではないですか?

ただ子どもを見ているためのものではないと、放課後児童支援員の資格取得時に学びますが、それは間違いなのですか?

なぜ、同じ方向を向いた者が組織の上にいないのですか?なぜ誰も導いてくれないのですか?

相談も話し合いも会議もきちんと出来ない組織で、支援員は子ども達に何が出来ると言うのですか?