学童保育について考える時、私の思考回路は医療従事者寄りです。

根拠が大事、情報収集とアセスメントが大事、フィードバックが大事。

社会構造や人としてどうあるべきかといった人生観、死生観をきちんと考えられるかが、人の命や権利に向き合う者に問われていると思っています。

そしてそれは医療も保育も福祉も教育も共通しているはずと考えています。

これらは切っても切れない関係にあります。

一人の人間を中心に考えると、その周りを医療や保健、福祉、保育、教育などが手を取り合って囲んでいるイメージです。

であるはずなのに、学童保育という分野では、異業種として共に働こうとする時に大きな分断を感じます。

保育士や教師と看護師が共に働いたら最強タッグだと私は思うわけです。小児看護で発達課題も学んでいますし、子どもが体調不良を訴えた時や怪我をした時に、素早くアセスメントしてどう対応すべきか判断する能力がありますから。

現に放課後児童支援員向けの研修会はもちろん、資格取得時の講習でも、つまりは放課後児童クラブの運営指針内にも他職種連携の重要性については明記されています。

ところが公立の児童クラブの場合、まあ私が勤務する自治体の場合ですが、組織構造上放課後児童支援員の上に立つ者がそれを阻止することがあるのです。

他職種連携が当たり前な元医療従事者からすれば信じられない組織です。

さらに同じ学童期の子どもを見ているはずの学校と連携できない放課後児童クラブもあります。ええ、それも私が勤める放課後児童クラブですけれど。

同じ保育分野であるはずの幼稚園や保育園の保育士でも学童保育について理解の無い者もいて絶句します。

力関係があるとして、簡単に表せば、学校>学童、幼稚園・保育園>学童、何なら保護者>学童でしょうか。医療・福祉と学童は直接交わることはほぼ無し、発達支援センターは連携出来ればイコールの関係になれるかもしれません。

そしてこの状態を疑問に思わない大人が沢山いるのです。

私は自分自身保護者としてこの現状を見た時、その地域で子育てすることに不安になりました。よくこの学童を蔑ろにした状態で「地域で子ども達を育てましょう」と言えるなと。

何とかこれらの分野の連携が出来ないかと、現場からもがいたわけです。

絶対に正しい動きなはずなのに、絶対にそうさせたくない者との戦いは、支援員のメンタルヘルスを著しく悪化させました。

こういう現状で、こういう根拠で、こうした方が良いですよ、こうしていただきたいなどと言っても、見事に相反することを決定通知してくるのです。

もはや誰の方を向いて働いているのかと思えて泣けてきます。

放課後児童クラブで働いていると、いかに大人が大人目線で子ども達に関わることを決めているかがよくわかります。

しかし昨今の様々な課題を抱える子ども達に対し、一つの機関で解決するなど到底無理な話です。

子どもを中心にした継続的支援、そのための他職種連携をきちんと構築しなければ、真の児童支援など絶対にあり得ません。