《森の旅と、夜の記憶がひらく》
森の奥では
夜の気配がまだ薄く残っていた。
その静けさの中で
旅人が歩いた跡だけが
紙のように薄い影となって
森に落ちていた。
アニマルは
その影のそばで静かに息をしていた。
森の入口で
まだ名前のない気配を胸の奥に抱えながら。
サンドマンは
夜の名残を指先に残したまま
旅人が置いていった断片を
そっと拾い上げた。
それは
言葉になる前の記憶のかけら。
森の呼吸と夜の影が重なり
ひとつの物語が
ゆっくりとひらき始める。
森は
誰かが残した静かな旅を
そっと受け止める場所。
夜の記憶は
まだ形を持たないまま
紙の端で静かに揺れていた。
その揺れは
これから始まる物語の前で
小さな灯りのように息をしている。
森の旅は9月の入口で
静かに
続いていく気配だけを残していた。
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