先週末、バンクーバーで行われた

ロシア代表 vs カナダWHL選抜

の試合を観てきました。



まず気づいたことをメモした内容です

1,ロシアのPP BreakOutはダブルスイング(1人ストレッチ)からのドロップパス
2,AzのロシアPPの形はいたってオーソドックス
3,DzのカナダPKはキーマンサイドWingが若干プレッシャーをかけるが基本はコンテイン
4,ロシアはカバリッジをしている。特にスロット内のD3が自分のマークすべきF3との距離をしっかりとコントロールしていた。
5,カナダにカバリッジは無し!1on1でアングリング状況で2人目がビックヒットするために寄っていく(つまり1on2、もしくは1on3になることも)
6,ロシアのソーサーパス(フリップパス)の精度はものすごい。
7,カナダは1-2-2Aggressive(先週ブログで解説済み)
8,ロシアは1-3-1Nzトラップ
9,ヒップチェックで相手が1回転するもノーペナルティ。スローで見ても確かに相手腰にチェックが入っていて、相手が明らかにジャンプしている。
10,両チームともDzでのシュートレーンKeepに徹底している。とくにWing
11,両チームの選手ともにバックハンドの精度が高い
12,カナダPPは基本的にonBlueラインでD-Dパスで組み立てつつワンタイマー

以上、試合の流れでメモしていた内容です。

これ全て解説したら、とてつもなく長くなっちゃいますね!重要ポイントをかいつまんでいきましょう。

1,カナダのドロップパスPP BreakOut

相手のPKは1-1-2ではなく、今では最も一般的になった1-3で書いています。


まず一般的なDF2とFW2の2人でダブルスイング、DF1がセンターレーンを持ち上がります。この時FW1だけ変な動きですね。



DF1が相手XD1を十分に引きつけたところでドロップパス
そこにみんなから遅れながらもスピードをつけたFW1がドロップパスを受けるわけです。



相手は第一陣(ダブルスイング2名とDF1)の動きに合わせて下がっているので、左右どちらか手薄なサイドを見つけてFW1がエントリー。プレッシャーがあれば自分でダンプして取りに行っても良い。

という形でした。NHLでもバッファローやカナックスもよく使っていた形ですね。主にヨーロピアンが好むスタイルのような気がします。ダンプ&チェイスのカナダスタイルとはちょっと違いますね。

ただ、FW1の役目はやはり相当なスキルとスピードがある選手がやるべきですね。
ロシアもこのポジションは必ずエースでした。

8,ロシア1-3-1トラップ
昨年もNHLタンパベイが使っていた形で、かなり使うチームも増えましたね。
1-3-1については今後このブログで解説していこうと思っています。


9,レフェリーの皆様、
ヒップチェック=クリッピングではないことを確信しました。
この試合はNHLルールではなくオリンピックルールです。
派手に1回転しましたがノーコール。
スローで見たら、ヒップチェックは見事に相手の腰をとらえてます。角度的にたまらず受ける側がジャンプしました。おそらくこれを取るならダイブも一緒でしょうね。

かなり長くなるので、これで最後に
先週解説していた1-2-2Aggressive、今回カナダが使っていたので1点だけ補足します。

もしも相手選手が1人、ゴール裏にスピードをつけて取りに行ったら・・・?

これについてはあえて解説してませんでした。
取りに行く選手のスピードやスキルにもよりますし、パックキープするXD1の技量にもよります。一概に言うのは難しいのですが・・・

ここではカナダの取った戦術について

カナダは1-2-2Aggressiveのトラップ



ロシア選手(エース格でしたね)がゴール裏にパックを取りに行くB/Oです。



カナダの対策は、このエースに持たせないようにスタートが同じサイドのFW2にアングリング役をさせる



それにはたまらず、ロシア選手もパックをスルー
それを見たFW3は仕事がなくなるので、ポジションスイッチするわけです。

ただ、ロシアも対応が早かった
(このあたりがコーチの駆け引きが見えておもしろい)


FW2不在でがら空きのサイドを上手く使って、B/O(ブレイクアウト)
FW3もこのタイミングで逆サイドまでは間に合わないですねえ。

私は基本的にパスレーンを開けたくないので、FW2はついていかせない。
ただしそうなるとトップスピードのXF1の対処は・・・?

こんなのもあります。


まあいわゆる奇襲ですね。

ゴール裏交差直前に出口側からFW1めがけて突進ですね。XD1が判断力の良い選手であれば逆側からあっさり抜かれてしまうので、これを使うかどうかは相手DFの技量次第かな。

XD1がぼけっとしていれば、相手2人が衝突、その隙にパックを奪ってシュート!なんて言う形になったらいいなあという淡い期待(笑)



まあ相手選手が上手であればカナダの取ったアングリングは正解でしょうね。
ただFW3のポジションスイッチを早く、そしてFW1は逆サイドががら空きなのを把握しつつ、相手XD1の持ち上がりやロングパスを容易に出させないようなポジション取りが必要ですね!

これで本当に1-2-2解説は終わりにします。
次は2-3Nzトラップに行きたいのですが・・・
その次は1-3-1・・・
PKもやりたいなあ・・・

これ仕事にならないかなあ・・・
それなら1日中やれるのに・・・(笑)

でもカナダのホッケー研究は自分の中では完結したつもりです。
10年間スパイとしてカナダに潜入してましたから(笑)
今後も時間を見つけながらですが、少しずつ書いていきます。

そろそろ北欧のホッケーを研究したいなあ。


いつか日本の試合もこんな風に人で埋め尽くしたいなあ。


システム勉強で観戦すると、ホッケーは楽しめません。
う~ん、本当はビール飲みながら「やぁっ~!!」とかいって騒ぎたいんですけどね