Dzにおいてウイングは45°にはこだわらない

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Dzにおいて日本でもカナダでもウイングは45°ポジションを取るのが当たり前だった。でもウイングの皆さん、「ブルーからパックを出せ!」「アイシングを取れ!」と言われながらもパックをクリアできず悩んだ経験があるでしょう。ただクリアするだけ・・でもこのクリアが実はものすごく難しいんです。

45°にポジションを取っているときにDF1からパスが来る(上図1番)、その後FW2にパス(上図2番)とボードを使ってクリア(上図4番)のオプションがあるが、実は最近多用されるフォアチェックシステム1-2-2(※1)ではこの45°のパスカットを狙いすましているケースがほとんど。よってFW1はパックを取った瞬間既に相手のフォアチェッカーFW2が目の前に来ているんだ。そのプレッシャーの中で味方FW2にパス、もしくは相手DF1にカットされないようにパックをクリアするのは至難の業なんだよね。ましてや味方DF1がパックをリム(※2)した場合(上図3番)、パックを止めるのも難しい上に相手のプレッシャーの中でパックをクリアなんてほとんど不可能に近い。

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ではどうすればいいの?もちろん相手プレッシャーがない時は45°のポジションを取ってディフェンスからのパスをもらってあげるのは良い。ただ相手プレッシャーの中で味方DF1がリムする場合、ポジションを従来の45°よりも高めに移動する事によって色々なメリットがある。まずブルーラインが近くなる為クリアしやすくなる。相手DFとの距離が近い為、強いボディチェックをされなくてすむ(ウイングはこれが怖いよね)。クリアしやすくなる為、通常相手FW2は45°にフォアチェックする役目だがカウンターを警戒してポジションを下げざるをえない。つまり相手フォアチェックにははまりにくく更にパックをクリアしやすい状況になる。

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コツとしては初めから高めのポジションを取るのではなく、まずは45°のポジションを取る。味方DF1がリムする際にパックをよく見ながらポジションを徐々に高くしていく。これはもしも味方DF1のリムが弱い場合、相手FW2にパックをカットされる可能性があるから。もしもパックが弱い場合はFW2に簡単にパックを奪われないようにプレーする。リムが弱い場合は既にクリアできる可能性は無い。その場合は目的は「クリア」ではなく、「相手にパックを奪われないこと」に変わる。

用語解説
※1 1-2-2フォアチェック~世界で最も多用されるフォアチェックの定番スタイル。フォワード1人を先頭にミドルに2人、一番後ろにディフェンス2人と1人-2人-2人の形で行う。
※2 リム(RIM)~ 茶碗など円形の縁を言う。ホッケーではパックをボード沿いに(フェンスとは言わない)強く回すことを言う。Rim the puck around !!「パックを回せー」