前述に引き続き、「重心」=「パワーポジション」の重要性について解説します。

pposition6pposition10まず左上の写真を見て下さい。ディフェンスは1on1の状況において重心がスケートの真ん中、膝がしっかり曲がり胸もしっかり上がっており、パワーポジションで守れています。重心がスケートの真ん中にあると横の動きにもスムーズに対応できるので、相手FWへの左右の動きにも対応できしっかりインサイドを守ることが可能です。右上の写真は重心の位置について解説しています。pposition8pposition9
左上の写真は早く相手FWに対して距離を縮めようと焦るが為に、前重心になっています。この状況では横の動きへの対応が難しく、相手が左右に素早く動いた時に右上写真のように相手において行かれることになってしまいます。守りの基本は大きなボディチェックをすることではなくインサイドを守ること。必ず相手FWと味方ゴーリーを結んだライン上でしっかりインサイドを守り、相手に先に行かれないことです。第二にうまく相手との距離を縮められたらパワーポジションをキープしながら腕で相手をボードに押しつけ、相手のバランスを崩すこと。2006年度のルール改正前まではこの状況からピン(※1)するのが通常であったが、ホールディング等の反則が厳しくなった現在のルールではあえてピンに行かず、インサイドを守るのが一番妥当な守りであると考える。相手のバランスを崩しながら相手のパックハンドリングミスを誘い、フォローに来た味方にルーズパック(※2)を処理させるというわけです。Dzの失点の大半はコーナーでの1on1勝負に負ける→味方がフォローに行く→フリーになった相手選手にパスを出される→ゴール前のDFがフォローに行く→ゴール前の相手フリー選手にパスを出される→ゴールされるというシナリオ。つまり最初のミスをみんなでカバーしようとする為に、Dzでのポジショニング&マークのパニックを自分たちで引き起こしてしまうわけ。だから最初の1on1で負けないことがDzパニックを生まない、つまり失点しないキーポイントになるのです。用語解説※1 ピン(PIN)~昆虫採集の際に虫が動かないように虫ピンでとめるのと同じ意味で、自分の体を使って相手の体をボードに釘付けにすること。※2 ルーズパック>(LOOSE PUCK)~ パックが誰にも所有されていない状況。