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これからディフェンディングゾーンでの5on5の守り方「COVERAGE(カバリッジ)」について紹介していきます。初回はパックキャリアに対してのDF1番目の守り方です。ポイント1「プロテクト・インサイド」DF1はパックキャリアとゴールを結んだライン上から左1歩右1歩までがGOODポジショニング。それ以上ポジションがずれると相手XF1からゴールが見える。視界が広がるのでパスも出せるしシュートも打てるので注意。DF1の意識としては相手よりもゴールにむかってインサイドにいること、インサイドを守ることに専念する。そして必ず相手FWー自分ーゴールとなるように。派手なチェックは見た目が良い。ただ突っかかる分抜かれるリスクも伴う。安定したDFは見た目が地味でも絶対にインサイドを抜かれないように守る。こういったタイプのDFがNHLでも最も評価が高い。

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ポイント2「ギャップコントロール」インサイドを守っていれば図Aのように相手から離れていていいのか?これでは相手XF1にインサイドを簡単に突破されシュートを打たれるでしょう。そこで考えなければならないのがギャップ(相手との距離)です。DF1にとってのベストギャップは図Bのように相手スティックの先に自分のスティックの先が触れるか触れないかの距離、剣道でいう「一足一投の間合い」です。(図C)FWとしても相手DFのスティックが目の前にあるため、容易にゴールには向かえません。またすぐにスティックチェックできる距離なので、常に相手FWのパックハンドリングにプレッシャーをかけられます。

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ポイント3「アングリング」(図A)ゲームの流れの中でどうしても相手FWとDF1のギャップができてしまうことがあります。その時にこれまでの2つのポイントをクリアする為にあわててギャップを詰めようとします。これがDFの命取り、言い換えればFWの絶対的チャンスになります。何故でしょう?(図B)スケートの構造上、つま先に重心がある時は左右への動きに非常に弱いのです。是非じぶんで試して見てください。つまり図Aのように相手XF1に向かっていってはDFにとって抜かれるリスクが高くなるわけです。(図C)ギャップができても慌てて真っ直ぐギャップを詰めるのではなく、相手の斜め背後から徐々にギャップを詰めていく。これが「アングリング」(方向付け)による「ギャップコントロール」です。

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ハイレベルなギャップコントロールDFにとってギャップコントロールは最も大切な技術の1つですが、同時に習得するのも最も難しい技術の一つでもあります。ギャップコントロールができて、これが習得できればあなたを抜けるFWはそうそういなくなるでしょう。(図A)相手がすでにフルパックコントロールができていてこっちを見ている。この状況で無理に詰めると、前述で学んだように前重心になり簡単に抜かれる。できるだけ近寄りながらギャップを縮めるよう頑張るが、いざ相手がこっちに向かいはじめた時には下がる。両足をアイスにつけ半身になりながらすり足で近寄ることで、相手が仕掛けてきた瞬間にさがることができる。コツとして覚えておいて。(図B)相手XF1が攻めきれずコーナーに逃げる時(背中を見せる時)、そこがDFにとってギャップを詰める最高のタイミング。ここで絶対に怠けない。怠けるとあとでギャップの厳しい1on1をしなければならない。(図C)相手が背中を向けている時がギャップを詰める一番のタイミングだが、まだ詰め切れていない状況で慌てて相手を潰しに行くと抜かれる。ポイント2の「一足一投の間合い」に詰め切れるまで慌ててチェックには行かない。慌てず焦らずガマンガマン、あくまでも「インサイド重視」、チェックできなくてもインサイドが守れていればディフェンスとしては最低限の仕事ができている。よってピンチになることは少ない。