パワープレー時のセットプレー、今季NHLで大人気の"スラップ・パス"を紹介します。

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まずFW1はDF1とのパスを何度か繰り返します。この時FW1は必ず高めにポジションを取ってからDF1のパスを受けること。FW1のポジションを高く取ることによって、相手BOXを吊り上げられる、相手XF1のスティックチェックにかかりにくい、高めから見ることによってFW1の視野が広がる、FW1は高めから加速してシュートを打てる等のメリットがある。(左上図1番)FW1とDF1のパスで相手BOXを上下に揺さぶったなら次はBOXを縮小させてみよう。FW1が相手XF1とXD1の間を抜こうとする。XF1とXD1は抜かれないようにコースを塞ごうとする。そこでFW2がフォローのポジションをとりFW1からのパスをもらう。大切なのはFW1が相手XD1を十分に引きつけること、そしてXD1のスティックチェックを回避するためパスはゴールに向かっていつもマイナスパス(※1)になること。このサイクリングを何度か繰り返すことによって相手BOXを徐々に小さくすることができる。もちろん相手XD1がFW1 にチェックに来ない場合は直接シュート、もしくはFW2からのパスを試しても良い。

(左上図2番)さて、FW1とFW2のサイクリングを何度か繰り返すうちに相手のBOXが小さくなり最初よりもボード際のスペースが広くなるはず。(右上図3番)頃合いを見てFW1はサイクリングではなくスロットの若干ゴールよりにポジションを取る。FW2はゴールに向かってスラップシュートを打つと見せかけて狙いはFW1のスティックブレードにスラップパス。FW2のシュート振りかぶりによって相手GKが前に出る為、FW1へのシュートパス&ディフレクション(※2)はゴールファーサイドに決まりやすい(右上図4番)。このシュートパターンから行くとリバウンドは必ずバックドアに出てくるのでFW3番はリバウンドを狙う(右上図5番)相手DFはFW1がレフトハンドの為、FW2からのパスによるワンタイムシュートがないと判断し結構フリーにしがち。そこが狙い目なんです。

用語解説
※1 マイナスパス~進行方向に対して後方にするパス。
※2 ディフレクション(Deflection)~ シュートやパスの角度を変えること。