本日相談に来られたお客様の補聴器の出力特性を実耳測定したグラフ。

実耳測定とは補聴器を装用した状態での、鼓膜面上での出力特性のことです。

 

この方の主訴は、補聴器をしてもよく聞こえない。不快な聞こえ方。

ということでした。

残念ながら当店で扱いのないメーカーでしたので、調整はできませんので、せめてどのような調整になっているか確認した結果がこれ。

説明すると、1kHz~1.6kHz付近にピークがあって、そこだけやたら出力が高いが、その他は山型になっていて出力が低い。

故障なのかと思ったが、反対の耳も同様の調整なので意図的と思われる。

補聴器入れた方がかえって聞こえにくいのではないかとさえ思える。

私の想像では、キンキン響くと言われて高音域を下げ、次に車の音やら周囲の騒音がうるさいと言われて低音域を下げた結果こうなったのではないかと思うのですが・・・・

 

何度も通ってるが一向に聞こえが改善しない。

行く度に対応者が変わる。

などの不満を訴えておられましたが、正直まぁそうだろうなと思いました。

買い替えずとも、適切な調整で改善できると思いますと伝えましたが、購入した店舗については、もはや信頼をなくしてしまわれた様子でした。

チェーン店などにありがちですが、担当者がコロコロ変わるというのは社員が安定しない、ということは経験の長いベテランが少ないとも受け取れます。新人が調整しようが、ベテランだろうが補聴器購入価格に違いがないわけなので、お客さんにとっては迷惑な話ですね。

社員が長続きしないのは、経営幹部たちの責任だと思いますよ。

やたら店の数を増やして利益を追求するのは自由ですが、そうなると、人材不足の世の中ですからどうしても質の低下が危ぶまれます。

お客さんを犠牲にしないよう心がけたいものです。