先日相談に来られたお客様、80代の方。

お試し用補聴器を貸出してお帰りになりましたが、

その後ご家族の反対にあったとのことで返却に来られました。

 

娘さん夫婦が、2人とも同じ外資系企業に勤めている。

その外資系企業は様々なものを扱っているが、その中に補聴器もある。

だから、そこで購入すればよい。という事になったそうです。

 

そこで考えてみたのですが、色々扱っている中の1つが補聴器である外資系企業とは?

思い当たるのはかつてのシーメンスですが、シーメンスは補聴器部門を売却してしまいました。

もはやシーメンスブランドでは補聴器は存在しません。

 

あとは、ほぼ補聴器専門でやっているメーカー。

グループ企業が別のものを扱っていることはあるかと思いますが、かなりマイナーです。

 

ご家族の方が価格が想像以上に高価だと感じ、断る口実としたか、

もしくは本当に外資系企業にお勤めのご家族がいるのか。

 

そうだと仮定して、どうも補聴器とは考えにくい。

何か集音器的な音響機器と勘違いしているのではないかと感じました。

 

補聴器はかなり専門的な医療機器ですので、どこで買っても同じではありません。

調整にはそれなりに知識が求められます。

 

今回のお客様が来られた地域は認定技能者資格を持った方が在籍する販売店が全くない地域でした。

果たして、どういったチャネルで購入させるつもりなのか非常に心配になります。

 

仮に正しく補聴器だったとしても、どこか自宅から遠く離れた店で買う事になるのか、

もしくは技能者不在の近くの店を通して購入するかの二択になります。

 

最悪のケースは、通販のような形で「モノ」だけ購入となること。

この方は聴力に左右差があり、言葉の聞き取り(明瞭度)にも大きく左右差がありました。

ただ機械だけ買っても、調整はどうするのか、

片方だけ?・・・ならばどちらの耳につける?

両方つける?

その判断はどうする?

 

とても心配なので、当店で購入しないにしても、気を付けるべきことを資料にしてお渡ししました。

せめて購入前に、ご家族の方共々耳鼻科医に相談するだけでもしてくれれば良いのだけど・・・

 

補聴器がどんなものか、情報があまりに少ないために安易に考えてしまう方も多く、

ご家族のためにと考えて、購入してあげた機器が何の役にも立っていない、

もしくはかえって聴力低下を招きかねないなど・・・あり得る話なのです。

 

補聴器は認定技能者資格のある店で、出来れば自宅から無理なく通える店での購入がお勧めです。

高齢のご両親の事を気にかけている皆様には、多忙かとは思いますが、

ただ否定するだとか、こちらで全て買ってプレゼントするなどでなく、

一緒に販売店や耳鼻科医院に行って、詳しい話を共に聞いてみることをお勧めします。

ご家族と共に相談に来られた方は、そのほとんどが良い結果につながっているように感じています。

 

当店ではブログ読者の方などから相談を頂く機会が増えて参りました。

大変有難いと感じるとともに、少々責任も感じますね。

お問い合わせは歓迎です。気軽にどうぞ。

 

近隣のみならず、1時間~2時間以上かけてご来店下さる方もいらっしゃいました。

ただ原則的には、近隣での購入をお勧めしています。

 

補聴器は何度か調整を繰り返す必要がありますので、

可能であれば近隣の信頼できる店が見つかるとベストでしょう・・・