いきなり何の画像かと思われたことでしょう。

 

補聴器とは全く関係ない画像です。

 

これは、コンプレッサーと呼ばれる機械で、エレキギターやエレキベースなどの楽器で使用するものです。

 

主に、演奏時の音の出力を揃える目的で使用されます。

 

小さい音は大きめに、大きすぎる音は抑えるように加工します。

 

この機械を見ると、何やらツマミがたくさんありますね。

 

Threshold  Ratio  Attack  Release  Gain  などの文字が読み取れます。

 

これらの音の加工処理が、実は補聴器と共通するものがあるのです。

 

Threshold とは、圧縮をかけ始めるレベル。

 

これ以上大きな音は圧縮をかけますよ、というポイントになります。

 

Ratio は圧縮比。

どの程度の圧縮をかけるかですね。

 

Attack はアタックタイムと言って、大きな音が入力されてから、圧縮がかかり始めるまでの時間。

 

Release はその逆で、リリースタイム。

圧縮した音を、元のレベルまで戻すまでの時間になります。

 

Gain は音の増幅度です。

 

 

かつて、もうだいぶ昔の話ですが、補聴器にはこの圧縮の技術がありませんでした。

 

 

ラフな図ですみません。

 

昔の補聴器は、この図の赤い線のような入出力になります。

 

入力音と出力は比例して大きくなり、過大音を抑えるために一定レベルで出力をカットします。

そのため、少々歪みが出やすくなります。

 

それに対して、ノンリニアと呼ばれる補聴器が登場しました。

図の黒い点線のように出力が上がっていきます。

 

あるポイント以上の入力音に対して、圧縮をかけて出力を抑えていきます。

ピーククリッピングのように、スパッと制限しないので歪が少なくなります。

これが現在の補聴器の主流となります。

 

 

 

 

 

こちらもまたラフな手書きの図ですみません・・・

 

アタックタイム・リリースタイムの簡略図になります。

 

一定以上の音が入ってきたときに圧縮をかけます。

圧縮がかかって出力が下がるまでの時間がアタックタイム。

 

補聴器について言えば、はやく圧縮がかかった方が快適性は増します。

 

逆にリリースタイムは圧縮が元に戻るまでの時間ですが、これは遅い方が快適性は増しますが、圧縮がいつまでもかかった状態だと、言葉の「明瞭性」が損なわれてきます。

 

このアタックタイム・リリースタイムは、補聴器によってはメーカーの設定で固定となっているものもありますが、調整者がある程度いじれるものも多くあります。

 

さて、今回のタイトルについてですが、

 

私も10代のころから趣味で楽器を演奏しており、最初の画像のような機器をいじって遊んでおりました。

 

なので、初めて補聴器の調整画面を見た時に、とても親近感を覚えたのを思い出しました。

 

音を加工するという作業に共通点があったわけですね。

 

そんなわけで、毎日補聴器の調整を楽しんでやっています!