市川海老蔵の第3回自主公演ABKAIに行ってきました。
第1回は蛇柳と花咲じいさん
第2回は義経千本桜と新作舞踊劇SOU~創~
そして今回、第3回は浦島太郎を題材にした竜宮物語と
桃太郎を題材にした桃太郎鬼ヶ島外伝です。
竜宮物語はちょっと大人な解釈の浦島太郎でした。竜宮に住む
乙姫は人間の男性のエキスを命と力の源としていたのですが、
それまでエキスにしていた男性は歓待されると勘違いするような
輩ばかりだったのに、浦島太郎は歓待されても謙虚で、乙姫は
経験しなかった男性を相手に今までと同じように対処できるのか
それとも心変わりするのか・・・・という感んじです。
桃太郎は鬼ヶ島に住む鬼たちが桃太郎が島を襲うという情報を得て
どのように迎え撃つのか5匹(人?)の鬼プラス1が迎え撃つにあたって
その対策を仲たがいをしながら錬るのですが・・・・という感じです。
先日他界した陳舜臣さんは三国志を秘本三国志、三国志演義に立脚
した三国志は劉備を主人公にしていますが、秘本三国志は宗教団体
の五斗米道サイドから見た三国志です。これを参考にしたかどうかは
分かりませんが、今回のABKAIでは浦島太郎は竜宮城サイドからの
視点、桃太郎は鬼ヶ島サイドからの視点でストーリーが展開されて
います。この視点からの展開(宮沢章夫さんの脚本)と舞台装置(宮本
亜門さんの演出)そして藤間勘十郎さんの振付がどう絡むか・・・
ABKAIは大向うがほぼ聞こえません、ということは観客は歌舞伎と
観ているのか、新しいタイプのお芝居と観ているのか判断は難しい
です。演じている箱(劇場)にも依ると思います。
今日の1曲は「浦島太郎」です。