出戻り大先生 | ほぼうさのブログ

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思えば3年くらい前にヴィニーカリウタ氏がグレッチをやめてラディックに移籍したのはとても衝撃的だった。グレッチにおけるヴィニーカリウタのシグネイチャースネア(あの白いの)は本当に音が良くて、完成度も高くて、いつかおれが金持ちになったら買ってそばに置いておいてやろう、と思うくらいのものだった。実際、おれは金持ちになっていないのであとはお察し…であるが、ともかくヴィニーの移籍に伴って、あのシグネイチャーは生産終了となり、ラディックから新しいやつが出るのだろうと思われていた。
しかし、つい最近ヴィニーのウェブサイトに行くとなんと「Coming Home to Gretsch」というポップアップが表示されたのだった。これは驚きだ。ようは出戻りだ。ヴィニーカリウタは一時期ほんの気の迷いでラディックに移籍したが、やっぱりグレッチサウンドが忘れられず戻ってきたということになる。
思い起こせば、自分も最初はラディックのスネアを買っていた。でも出音が全然しっくりこなくて、フープをダイカストにしたりと投資を重ねたがやっぱり気にくわなかった。その後Pearlさんのカスタムクラシックレジェンドと出会い、これは素晴らしい!と思いたってラディックを売り払い購入した。そしてそのあと、120kくらいするグレッチのUSAカスタムに出会った。
グレッチの音は異次元、だと思った。叩くたびシェルが激しく鳴る。フープの金属音も殺気立ってて最高だ。おれはプロのドラマーになるんだからこれくらいの楽器は買っておかないといけない。うむ。そう思って買ったはいいが、シェルが振動しすぎてフープのネジがすぐゆるんでポロっと落ちる、ライブの最中にチューニングが激しくずれる、などの被害に見舞われ、泣く泣くPearlを主力選手にするようになった。今となってはいい思い出である。なにしろドラムを叩いていた頃すら懐かしいのだから。
つまるところ、ラディックの出せる音っていうのはビートルズ時代のラウドな、いい意味で粗削りなサウンドであって、グレッチのような殺気立った完成度の音は出せない。そこで結局、ヴィニーは戻ってきたのではないかと推測している。