世界大会と国内大会、この違いを考慮した打者選考が望まれる。
村田は北京五輪58人中55位の打撃成績。
ペナントレースでは.323、46本、114打点。
五輪中は体調を崩しており、打者にとって生命線である眼の調子が悪かったという話もある。
しかしこの成績の違いは何か。
ここに秘密が隠されていると仮定できる。
結論から言うと、データ偏重主義では国際大会では打てない、ということである。
顔ぶれの変わらない国内大会であれば、知れば知るほど傾向が見え、容易にヤマがはれるようになる。しかしメジャーに行った日本人選手の成績を見ても分かるように、イチローを除き、目を見張るような活躍をした打者の存在は皆無である。あの松井ですら30本塁打以上が一度だけ。
おそらく、対戦相手が多岐に渡るため、データのインプットが追いつかないというのもあるのだろう。
ヤマがはれない、かつムービングファストボール全盛。これでは日本の野球になれ親しんだ選手にとって、非常に困難な状況と言えよう。
まして相手がよく分からない国際大会になれば、その傾向はなおさら。
村田は表向きの言動とは裏腹に非常に対戦相手を調べる質である。それを考えると、打てなかったのは仕方のないことだったのかもしれない。