中央省庁での障害者雇用の不正水増しのニュースを読んで。
この問題の根底にあるのは、日本の障害者支援制度の不備であるように感じる。
まず、障害認定のハードルの高さについて。
現在障害認定は身体障害と精神障害の2種類があるのだが、身体障害については、欠損などによる機能消失を念頭においているようで、傍目には五体満足に見えると、日常生活にかなり支障があるような人でも、認定してもらうのが非常に困難であるのだ。
薬害被害者に限らず、神経障害や脳機能性障害に悩む多くの難病患者さんの中には、こんなに酷い症状でも障害認定が受けられないのか、と驚く事例がある。
明らかに健常者ではない。しかし障害者として認定はされない。そういう間(はざま)にいる人はどれくらいいるのだろうか。
障害があっても働きたい。支援を受けるだけではなく、自分も社会になんらかの形で参加して、貢献したい、という思いをすくいきれていない、と感じる。
反対に、容易に障害認定を受けることができるほどの機能障害があると、求められるフルタイム勤務が難しいのではないか、とも思う。結局、自力では生活できない非正規雇用の道しか、残されていない、ということのようだ。
より柔軟な雇用条件で障害認定を受けた方を雇用し、また健常者と障害者の間にいる多くの認定してもらえない人にも目を向けて、雇用の窓口を拡げてもらいたいとも、強く思う。
利益重視の私企業では、よほどの体力がないと難しい。まずは中央省庁から、取り組んでいただきたい。今回の水増し問題の中にも、こうした配慮があったと、信じたい気持ちも少しある。