6年前のあの日のこと、そして何ヶ月も続いた心落ち着かない不安な日々を、私はきっと忘れない。
繰り返し繰り返し流された、子宮頚がん啓発CMのことも。
いつの間にか子宮頚がんこそが、若い女性の命を脅かすガンだというような印象を植え付けられてしまったように思う。
だから、市からワクチン接種の用紙が送られて来た時、何の疑いも持たずに娘に接種させてしまったのだ。
接種対象の年齢であることを幸運とさえ、感じていたくらいなのだから。
既に国内でも重篤な副反応の報告も上がり始めていた時期であったのに、そんな説明もなかった。知っていたら、300万人もの人が接種するようなことはなかっただろうに。
3.11以降、たくさんの被害者がこの国にうまれた。その中でも原発事故被害者やワクチン被害者などは人災の被害者とも言えるだろう。恨むべき相手の顔がはっきり見えている分、悔しさが募る。
6年間、長いようで短くもあり、短いようでとても長かった。
報道される被害者たちの物語一つ一つに、自分の6年間が重なる。
全ての被害者が、失ってしまった平穏な暮らしを、1日も早く取り戻せるようにと祈るばかりである。