「たばこ屋」廃業??

成人識別ICカード「taspo(タスポ)」が導入され2ヶ月以上が経過したが、新聞各紙は「町のたばこ屋さん」の「悲鳴」を伝えている。「タスポ」が普及せず、自販機の売り上げが激減。客はコンビニに流れ、「たばこ屋さん」は廃業を追い込まれそうだというのだ。

朝日新聞08年5月12日付夕刊には、「たばこ屋さん苦境、廃業続々」という見出しが立っている。自販機を「タスポ」仕様に切り替えるための投資が費用対効果に合わない、ということなのだそうだ。

「隣の店もその隣もみんなやめるんだよ」

店主のこうした声が報じられている。北國新聞も08年5月10日付け朝刊で、北陸たばこ販売協同組合連合会の組合員のうち、この6年間で545人(25.7%)が廃業。原因は24時間営業のコンビニの登場や、喫煙率の低下、後継者不足。そして「タスポ」導入で、廃業がさらに増えそうだと書いている。

そんな中で活況なのはコンビニ。毎日新聞などは、コンビニ大手のたばこの売り上げが前年同期よりも6-7割も増えたなどと報じている。

ただし、全国たばこ販売協同組合連合会は、「タスポ」導入によって「たばこ屋さん」が窮地に立たされている、という報道に異を唱える。

「手売りの店では売り上げが2倍になっているところもあるんです。少なくともタスポが原因で廃業した、という話は一件もありません」

軒並み「たばこ屋さん」が売り上げを落としているのかというと、そうでもないようだ。広島県に「タスポ」が導入されたのは08年5月1日だが、広島市にある「宗利商店」は導入後に売り上げは2倍になり、3倍にも手が届きそうな状態なのだという。1坪強の販売店だが、開業は昭和20年5月。店主の吉崎和子さんは4代目になる。この店は販売機がなく、すべて手売り。「タスポ」が始まってから新規の顧客が増え、リピーターになっていったのが売り上げ増につながった。



喫煙率低下にタスポの導入、タバコ屋さんににしてみたら厳しい条件が重なってしまっていますが、逆に売上げが倍増しているお店もあるということは…今こそサービスに力を入れて、集客のチャンスと言えるのかもしれません