- 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 新装版 (新潮文庫 む 5-5)/村上 春樹
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内容(背表紙より)
<私>の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した<私>は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。<私>の行く先は永遠の生か、それとも死か?そして又、{世界の終り}の街から<僕>は脱出できるのか?同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか!?
下巻、読み終わりました。
「ハードボイルド・ワンダーランド」では
老博士の孫娘と一緒に逃げる<私>は、やっと老博士と再会することができたけど
そこで真実がわかったと同時に、もう逆らうことのできない運命に自分が乗ってしまっていること・自分に残された時間はもうわずかしかないことを知ってしまいます。
<私>は永遠の生を生きることになる―――と老博士に言われるけど、
それは<今>の自分が死ぬことであって、
<私>は自分に残された時間をどう生きるかを考えます。
「世界の終り」では、
<僕>が、だんだん心を失うことに怯えると同時に、
心を失えば、永遠に恐怖や不安を感じることもなく、平和に暮らしていけるということで安らぎを感じつつあります。
そんな時、<僕>が、世界の終りに入る前に別れた自分の「影」から、「この世界をでよう」と誘われます。
「絶望があり幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれるんだ。絶望のない至福なんてものはどこにもない。」
「心のない人間はただの歩く幻にすぎない。そんなものを手に入れることにいったいどんな意味があるっていうんだ?」
と、影は<僕>に言います。
「世界の終り」が冬を迎え、
心を捨て切れなかった人が住む「森」で、心が残っている人に出会い、
<僕>思いを寄せる、心を失ってしまった女の子から「私の心をみつけて」と頼まれる。
そして日に日に弱っていく自分の「影」―――
<僕>は、影とともに「世界の終り」を脱出することができるのか?
<僕>が思いをよせる女の子の心は、見つけることができるのか?
「世界の終り」の秘密とは?
<僕>が下した判断は?
などなど。
文から分かるように、上巻と違って、下巻は「世界の終り」のほうが私には印象的でした。
(「世界の終り」の説明ばっかり書いちゃった
)
「世界の終り」と「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つの世界が
だんだん関わりが出てきて
どちらの世界も、想像できなかったラストでした。
ただ、個人的には「ハードボイルド・ワンダーランド」は、もし私が<私>のような立場になったら嫌だなぁ・・・とすごく思った
<私>という存在があと数時間で消えてしまうなら、
残された時間で何をするかなぁ??と考えました![]()
私も<私>のように
自分が「永遠の生」を生きることになろうと
やっぱり<私>のまま、何も変わらないと思う・・・
何か特別なことをしようと思うけど
結局いつものように
本を読んだり、遊びに行ったり
普通の一日をおくりそう![]()
「世界の終り」からは
心をなくせば、辛いことや悲しいことから逃れることができる。
でも、喜びをかんじることもなくなる。
「ハードボイルド・ワンダーランド」では
<今>の自分はなくなるけど、永遠の生を生きることができる。
どうとらえるかは
再読したら、またいろいろ印象が変わるのかもしれないなぁと思った![]()