メガハウス コスモフリートコレクション デストロイヤー艦(ガミラス駆逐艦)復刻版 7.5cm(1/2000) 2010年発売

資料上の名称:駆逐型デストロイヤー艦

ガミラス艦隊

本編呼称:ガミラス艦 全長150m(TV版ヤマト2での設定)

撮影レンズ28mm 一部レタッチと背景合成(フリー素材)


お久しぶりです。
前回の更新から1年と4か月も間が空いてしまいました。
知人のガンプラ作りに触発され、出来合いのガミラス艦を入手した次第です。


ファーストヤマトでのガミラス艦

1974年TV放送の「ヤマト」から、1983年の映画「完結編」までを、ファーストヤマトと呼ばせていただきます。
ゲーム版、復活篇、実写映画、及びリメイク版は、形状や設定が異なるため、同じ括りにはできませんので。

引用:宇宙戦艦ヤマト全記録集下巻より

(引用理由:1978年当時のガミラス艦設定を証明するため)


ガミラス艦のデザイン

スタジオぬえ設立メンバーで、松本零士御大参加後にヤマトに関わった加藤直之氏の証言。
「モデルグラフィックス誌の表紙にガミラス艦を描いたときもガミラス艦は松崎健一がデザインしたと思っていましたが、実は松本さんのデザインでした。」
とのことです。
文中の松崎健一氏もスタジオぬえ設立メンバーで、松本零士御大参加以前のメカデザインを担当、本編での敵メカも担当されていた方です。

ヤマトのメカに関しては、同じくスタジオぬえ設立メンバーである宮武一貴氏のデザインが多く採用され、松本零士御大も宮武氏のセンスを気に入って、のちにアルカディア号のデザインなどを依頼していますが、ガミラス艦は、アニメにしやすいと言う理由から、松本零士御大のラフ画が、ほぼそのまま採用されたそうです。
三面図化して詳細を詰めたのは加藤直之氏とのこと。


我が家のガミラス艦

作る気で入手したメカコレの旧ガミラス艦は罪プラになっています。
プラモデル作りが疎遠になり、俺ヤマト2もホコリをかぶっています。
まあ、そのうち、そのうち・・・。


本編でのガミラス艦

宇宙戦艦ヤマト第1話より引用
「超弩級宇宙戦艦6、巡洋艦8、護衛艦多数、高速接近中」
(このシーンで描かれたのは、このガミラス艦のみ)
つまりは、敵艦隊の最前部であるザコに歯が立たなかったと言う描写でしょうか。

「やつらには、この艦(ふね)では勝てない」
と、沖田提督に言わしめたものの、

古代守「突撃艦(突撃してきたガミラス艦)一隻、撃沈」
と、宇宙魚雷(追尾ミサイル)にて撃沈の描写もあり、まったく歯が立たないわけでもない印象で描かれました。


駆逐型デストロイヤー艦と言う名称

欧米では艦艇の規模によって、
戦艦:Battle ship
巡洋艦:Cruiser
駆逐艦:Destroyer
護衛艦:Frigate
と分類することから、駆逐艦(Destroyer)を「駆逐型デストロイヤー艦」としたのでしょうね。

資料では、高速巡洋型クルーザー(9話)、駆逐型ミサイル艦(9話、15話)の登場があるものの、旗艦以外の攻撃と言えば、ほぼこのガミラス艦だったようです。(おそらくはアニメを描く都合)


ガミラス艦の曖昧さ

ネットでガミラス艦について調べてみると、設定の曖昧さを突く記述が多いと感じます。
SFなので、細かいところに気を配る必要があるのはわかりますが、当時、外宇宙を冒険するアニメは前例がなかったことと、企画途中で監督として参加した松本零士御大が、それまでの設定ほとんどを破棄し、舞台背景、敵味方のメカ、人物をデザインし直すと言う作業量は凄まじく、スタジオぬえのスタッフも、見事なサポートであの大ヒット作を紡いだと、私は評価しています。

設定に関しては、寛容に受け止めたいですね。


ガミラス艦、魅力的な造形です。


ヤマト外観上面図

ついでに一つ見せたい資料があるので披露したいと思います。
※オフィス・アカデミー出版 1978年発行「宇宙戦艦ヤマト全記録集」より引用

まずはファンの間で、ヤマト外観の公式設定が細長いと言う誤解を生んだ三面図。

(引用理由:誤解を生むきっかけとなった図面を明確にするため)

ファンサイトにてさまざまに検証され、具現化したイラストや模型をご覧になった方も多いと思います。

全記録集 下巻に折り込まれていたもう一つの面図があります。

(引用理由:1978年時点で甲板を広く描いた図面が存在したことを証明するため)

これはこれで正確とは言い難いものですが、特筆すべきは甲板の横幅です。
こちらの図面の方が、アニメで描かれた甲板の形状に近いと思われます。

この図面をご存じの方も多いと思いますが、1978年発売のバンダイ プラモデル 1/700宇宙戦艦ヤマトメカニックモデルと、その簡略版である1980年発売の1/700ディスプレイモデルなどは、この図面の甲板形状を採用しています。

第二主砲の砲塔は企画段階の資料形状です。波除板の谷折れは西崎義展氏のこだわりなので致し方なし。

TAKETOME作 1980年金型 1/700(37.5cm)宇宙戦艦ヤマト 素組

当時、ヤマトの設定は曖昧な部分が多い中、様々な資料から上手に不合部分の折り合いを付けて具現化したモデルなのだとわかります。
これぞ「初期設定」のパーフェクトプロポーションです。


ファーストヤマトの最終形

その後、幾度となく見直され、詳細が練り込まれたファーストヤマトの集大成こそ、バンダイ ポピニカ魂 BPX-01 宇宙戦艦ヤマト 1/625(42.5cm)であると、私は思っています。

これぞファーストヤマト。ずんぐり艦首も松本零士御大の監修と思えば愛らしい。

TAKETOME所有 2005年再販版 未使用BPX-01

リメイク版に関して
2010年に発売された1/500以降のモデルは、ファーストヤマトにない造形が盛り込まれた別物の認識ですが、リメイクはリメイクとして、認めて行こうと思います。

ファーストヤマトよ、永遠に。