三井金属工芸製造 C62 2号機(スワロー・エンゼル)1972年発売 当時の新品価格31,500円
1/42スケール 24mmゲージ 全長510mm 2020年入手

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この製品群は当初、切りのいい1/40と言う縮尺で発売されたようですが、こちらの個体は正確な縮尺である1/42に改められた後期版と思われます。(1/40版も全長510mmと確認済み)

鉄道も鉄道模型も詳しくないので、この模型の価値はわかりませんが、高さ100mmある大型模型は存在感もあるし、精巧な蒸気機関車は見ていて飽きないですね。



C62:全長(動力車+炭水車)21,475mm、軌間1,067mm
1/42理想値:全長511.3mm、軌間25.4mm
本機:全長510mm、軌間24mm
機体と軌間の縮尺一致度は高い方だと思います。
Oゲージ(標準軌32mm)・OJゲージ(狭軌24mm)の縮尺は、通常1/45(国際的には1/43~1/48)ですが、当時は1/45に統一されておらず、一回り大きい1/40~1/42に人気があったため、このサイズが採用されたようです。

C62 入手の理由

「銀河超特急999号(機関車さん)のモデルになったC62の正確な模型がほしい」
これがきっかけで、C62を探しを始めたわけですが、なかなかピンと来るものが見つかりませんでした。
後述しますが、HOやNゲージの、日本などが標準的に採用している狭軌(1067mm)モデルは、軌間と機体の縮尺が一致していませんし、お値段もけっこうします。
なに分、持っているのが不正確なバンダイ製プラモデルの999号だけなので、もうちょっとだけ正確で、できるだけ安価なものがよかったのです。

で、目を付けたのが三井金属工芸の大型模型。


中古市場には、同類のD51が非常に安価で多数出回っていましたが、C62はややお高めで数も少なかったです。
それでもきっと出ものがあるだろうと網を張ること数ヶ月、ようやくこの個体に出会えました。
これを改造して、999号にしてしまおうと目論んだ次第です。

古くて傷んでるだろうし、ほぼ50年前の模型じゃ精巧さも知れていると高を括っていたわけですが、破格(お値段は伏せます)で手に入れたこの個体は、破損・欠損・修復歴のないオリジナルコンディションで、しかも、模型の精巧さには目を見張るものがありました。
(もちろん昨今の製品とは比較にならないと思いますが、思った以上に精巧でした)

さらに、走行はしないものの、動輪が動くギミックは感動ものの再現度です。

これは、改造など考えてはいけないものだと思い、現状保管することと相成りました。

999号とC62 2の関係性

Wikipedia 999号
https://ja.wikipedia.org/wiki/999%E5%8F%B7

松本零士氏が999号を描く参考にしたC62は、氏が所有していたカツミ製ダイヤモンドシリーズC62(16番ゲージ)で、ナンバーは氏が実機のプレートを所有していた「C62 48」を使用。


TVアニメでは、当時の国鉄が許可しなかったため、実在したC62 48は使えず、存在しないC62 50としたそうです。
劇場版では国鉄の許可も下り、ミステリー列車的な999号にふさわしい番号を、と言うことで4に関連する組み合わせの48号機に戻されたとのこと。

TVアニメの製作に当たっては、製作スタッフが実際に梅小路蒸気機関車館(現在は京都鉄道博物館)に動態保存されているC62 2号機(通称「スワロー・エンゼル」)を取材したと言われています。


排障器に付いているのはくもの巣ではなく綿くずでした(画像で気付いて除去済)

なお、劇場版の機関車は、第1作ではボイラ位置がやや低く煙突が長く描かれています。これらの特徴は、当時、中・大型旅客機で唯一の稼働機であり、スタッフが実車を参考にしたというC57形のものだそうです。

戦後、C61とC62は、在来機のパーツを流用して作られたそうです。
D51+C57→C61を33両、D52+C59→C62を49両生産。
C61はC57の後継、C62はC59の後継に当たるとのこと。

劇場版1作目の描写は、C62とは別系統の機体を参照したことになりますね。
つまり、999号のモデルとして取材されたC62の実機は、スワロー・エンゼルがメインと言うことになるわけです。

また、2号機が何度か「999」のヘッドマークを冠して走ったことも、広く知られています。



そして、C62 2号機「スワロー・エンゼル」入手へ

C62なら2号機スワロー・エンゼルと言われるくらい代表的な機体ですから、C62模型の中での入手しやすさはダントツ1位。
さらに、中古市場でこの製品が非常にお財布に優しかったことも、購入動機の一因ですね。

加えて、2号機は現在(2021年)も京都鉄道博物館に動態保存されている機体と言うことで、大いに価値を感じましたし、三井金属工芸の模型は、サイズも1/42と大きく、HOやNゲージと比べても、縮尺誤差の少ない模型だとわかったので、入手に至った次第です。


持ってみると、ずっしり重いほぼ総金属製。

余談ですが、HOやNゲージでボディサイズと軌間の縮尺が合わない理由を調べました。
日本の在来線、多くは軌間1,067mm(狭軌)なので、HOゲージの軌間16.5mmに合わせるなら、ボディの縮尺はおよそ1/65になります。
これだと海外路線や新幹線(軌間1,435mm)の機体(縮尺1/87)と併せてHOゲージを走らせた時、大きすぎて混在できないため、ボディを切りのいい1/80の縮尺として、およそ13mmになる軌間を16.5mmに拡張した「16番ゲージ」と言う規格を作ったわけですね。
追記:HOは固定縮尺(1/87)、可変軌間で、16番は可変縮尺、固定軌間(16.5mm)と言う前提になるそうです。



Nゲージも同様に、日本で主流の狭軌(1,067mm)を軌間9mmに合わせると、縮尺はほぼ1/120になり、大きすぎて新幹線や海外路線の機体と混在できません。
新幹線や欧米標準軌(1,435mm)の機体は、軌間9mmに合わせると、ほぼ1/160(Nスケール)でオーセンティックな模型になります。
狭軌の機体をそれに近くて切りのいい縮尺1/150(あるいは1/148)で作り、およそ7mmになってしまう軌間を9mmに拡張して、標準軌モデルと混在できるようにしたのが、日本独自の「Nゲージ規格」なのですね。
追記:Nスケールは固定縮尺(1/160)、可変軌間で、Nゲージが可変縮尺、固定軌間(9mm)と言う前提のようです。

鉄道関連は難しいです。^^;
※情報に不備がありましたら訂正致しますので、メッセージをお寄せください。

運転室もしっかり造形されています。

好きな方には物足りないのでしょうけれど^^;

石炭もリアルです。


来年(2022)で製造から50年とは思えない、良好な保存状態ではないでしょうか?

撮影データ:EOS5D2 EF28F2.8IS