くるくる。
くるくるくる。
随分と器用だなぁと、白くて長い指に踊らされるペンを眺めていた。
きれいな、だけど男の子の手。
華麗にペンを回す技に憧れて、
私も挑戦したことがあるけれど。
鈍臭い私には、到底無理な芸当だった。
隣の席で真面目に授業を受ける、彼の横顔を見ると。
切れ長の目にかぶさる睫毛が、
瞬きをする度にぱさぱさと音を立てるのではないかと思う程に、長いことに驚いた。
きれいだな。
髪の毛も、さらさらだし。
見惚れていると、いつの間にか彼の目が私に向いていたことに気付く。
「何見てんの?」
クールな彼は、滅多に表情を崩さない。
そのせいで、何を考えているのかわからないと溢されることもあった。
「何見てんの?」
口調と表情を真似ておうむ返しすると、端整な顔が僅かに歪む。
眉間に刻まれた皺が可笑しくて、
私は笑いを堪えるのに必死だった。
ほら、本当はこんなにもわかりやすい。
どうして皆はわからないのだろうと思うけれど、
気付かなくていいとも思う。
この表情を独り占め出来ることが、
私にとってはあまりに嬉しい。
そんな歪んだ恋心、もしも告白したらどうなるだろう。
想像して、やっぱり私は吹き出して。
そんな私を怪訝そうに見ている彼の表情が、
たまらなく可笑しかった。
(その白い指が私に触れたなら くるくる踊るペンを見つめた)