起業のきっかけと初期の苦労
── 起業を決意されたきっかけは何ですか?
「前職では営業職として働いていました。
仕事自体はやりがいもありましたが、次第に『自分の裁量で物事を進めたい』という思いが強くなっていったんです。
会社の仕組みの中で成果を出すことも楽しかったですが、
“自分で仕組みを作る側になりたい”という気持ちが大きくなりました。
そこで独立を決意しました。」
ただ、起業当初は理想通りにはいかなかったと振り返ります。
「最初は本当に何もわからなかったですね。
営業はできても、経営はまったく別物でした。
資金管理、採用、組織づくり、マーケティング。
全部自分で考えないといけない。
試行錯誤の連続でした。」
── 起業初期の苦労について教えてください。
「一番大変だったのは、人材です。
事業はアイデアだけでは成立しません。
一緒に戦ってくれる仲間が必要です。
でも、起業初期の会社は信用も実績もありません。
優秀な人材を採用することは簡単ではない。
だからこそ、
『どんな人と一緒に働くか』をすごく考えるようになりました。」
また、資金繰りについても起業家ならではの難しさがあったと言います。
「キャッシュフローは常に気にしていました。
売上があっても資金が回らないと会社は続きません。
起業して初めて、“経営は数字がすべてではないけど、数字から逃げられない”ということを実感しました。」
組織づくりとリーダーシップ
── 組織づくりで大切にしていることは何ですか?
平瀬さんは、組織づくりの根幹にあるものとして
「信頼関係」を挙げます。
「僕が組織で大事にしているのは、
・嘘をつかない
・素直である
・質問できる
この3つです。」
一見するとシンプルですが、これらは組織の文化を決定づける重要な要素だと言います。
「会社って結局、人の集合体なんです。
どんな戦略を立てても、
内部の信頼関係が崩れている組織は長く続きません。
嘘をつく人がいる組織は、必ずどこかで壊れる。
だからこそ、
『誠実さ』は最も大切にしています。」
また、質問できる文化も重要だと語ります。
「組織の生産性が低い理由の多くは、
“聞けばいいのに聞かない”ことです。
遠慮して聞かない。
分からないまま進めてしまう。
これが一番もったいない。
だから僕は
“質問することは評価される行動”だと伝えています。」
リーダーとしての覚悟
── リーダーとしての心構えを教えてください。
平瀬さんは「人を大切にする」という言葉の意味について、独自の考えを持っています。
「“人を大切にする”という言葉はよく使われますが、
それは“甘やかすこと”ではありません。
むしろ逆だと思っています。」
リーダーの役割は、メンバーの成長を促すことだと言います。
「時には厳しいフィードバックをする必要もあります。
嫌われる可能性があっても、
言うべきことは言う。
それがリーダーの責任だと思っています。」
また、組織の成長には緊張感も必要だと語ります。
「会社は、緩むとすぐにパフォーマンスが落ちます。
だからこそ
適度な緊張感を保つことが重要です。
僕自身が現場に入り、
数字や行動を細かく見ていくこともあります。」
現場主義の経営
── 現場主義を貫く理由は何ですか?
「現場にはリアルな情報があるからです。」
平瀬さんは、机上のデータだけでは見えないことが多いと話します。
「経営をしていると、どうしても数字やレポートで物事を判断しがちになります。
でも現場に行くと、
数字では見えない課題やチャンスが見えてくる。
だから僕は、
できるだけ現場を見るようにしています。」
営業組織を運営してきた経験から、
「現場の温度感」は特に重要だと感じているそうです。
「営業組織って、
ちょっとした空気の変化で数字が変わるんです。
だからこそ、
現場を理解している経営者でいたいと思っています。」
マネジメントで意識していること
── マネジメントで意識していることは?
「シンプルですが、KPIです。」
平瀬さんは、組織の方向性を揃えるためには
明確な指標が必要だと語ります。
「KPIを設定して、
定期的に進捗を確認する。
これを徹底するだけで、
組織の生産性は大きく変わります。」
ただし、数字だけを追う組織にはしないよう意識しているそうです。
「数字は結果です。
本当に重要なのは
“人が数字を作る”ということ。
だからこそ
メンバーの成長や行動も重視しています。」
今後の展望と若手へのメッセージ
── 今後のビジョンを教えてください。
「これまでの経験を活かして、
より多くの人に価値を提供できる事業を作っていきたいと思っています。」
平瀬さんは、事業そのものよりも
「組織を作ること」にやりがいを感じていると言います。
「事業は変わります。
でも、
人が成長する組織を作ることは普遍的な価値があります。」
── 若手起業家へのメッセージをお願いします。
「特別な才能がなくても、
やり続ければ結果は出ます。
むしろ大事なのは
地味なことをやり続ける力です。」
最後に、こう締めくくりました。
「結局、
ビジネスは“やり切った人”が勝つ世界だと思っています。」