アブダビに到着したときは夜中の0時を過ぎていた。

乗り換え標識の指示に従い、眠いからだを揺らせながらセキュリティーチェックまで向かう。

 

セキュリティーチェック後、空港内を歩いていると我こそはという感じで立ち並ぶ免税品たち。

0時を過ぎていても免税品店だけでなく飲食店もしっかり営業していた。

空腹より尿意と眠気の方が勝っていた私はすぐにトイレで用を足し寝床探しへ。

 

寝床と言ってもソファーか長めの椅子での仮眠ということになるのだが、空港内はエアコンがガンガン効いており私にとっては結構寒くエアコンの寒さからほどよく離れた場所でかつ寝られそうな場所探しをすること数分。

 

長くくねくねしたソファーを発見。

 

既に中央アジア系の方が2名横になりつつ、

マレーシア人ぽい方が1名腰をかけ休んでいた。

 

マレーシア人ぽい方はスマホ片手に寝る気がない様子。彼女は足組した程よい姿勢のままスマホ片手に1時間以上ビデオ通話をしていた。私は彼らのちょうど真ん中あたりに陣取り、寝る体制へ。気づかぬうちに1時間ほど眠りについていた。

数時間、寝たり起きたりを繰り返しながら場所を変えたりトイレに行ったりしながら時間が過ぎるのを待った。

 

徐々に日が差し込んできた空港内。

 

朝の雰囲気をまといながら徐々に搭乗客も増えてきた。

60歳は超えているであろうと思われる年配のご夫婦、ギャップイヤーを利用して旅行中のような若者グループ、ヒジャブをまとった真っ黒な服装の女性とその家族。

 

徐々に増えてきた人の気配とともに搭乗口付近で人の出入りが伺えた。

同じ飛行機に乗るであろう人たちが、動き始めていた。

 

そろそろ私もと思い、搭乗口付近にある謎の透明のドアの前に進んだ。

静かにドアが開き、ガードマンぽい男性にticketを見せると荷物検査をすると言われ一瞬戸惑った。

 

なぜならセキュリティーチェックはずいぶん前に済んでいたから。

 

英語わかるか?デバイス機器とかもってるか?出して。みたいな感じで検査が進み黒ずくめのミタリー服を着た無表情の女性が人差し指ほどの長方形の白い布でどんどん私の私物を触っていく。その後、黒い検査機器みたいなものに白い布を入れて検査終了。問題ない、いけ。出した荷物は自分で片付けるスタイルらしく私は放り出された荷物をもくもくと元に戻す。

 

その後さっきのミニタリーお姉さんと逆位置にいらっしゃった雰囲気も真逆のヒジャブを被ったお姉さんのもとへ。

え、この差はなに?と思いながら優しい笑顔で挨拶をしてくれ挨拶を返しticketを見せてラウンジに案内された。

 

色々旅をしてきたけどこのスタイルの搭乗手続きは初めてだった。

基本セキュリティーチェック後は搭乗手続き前に荷物を再度検知器みたいなものに通して終了って感じだったが

ミニタリーぽい方のチェックがあるとは思わず。少し緊張した体験だった。

 

時間になり機内に入ったはいいものの、出発時間が過ぎてもなかなか出発しない。

大丈夫かな?と思いつつ、しばらく待機。予定出発時間の1時間後にようやく離陸。

座席はほとんど埋まっており私は機体の後方から数えたら早いぐらいの3人席の通路側に座っていた。

隣は40代ぐらいのロシア人と韓国人ぽいカップルだった。彼女の方が韓国人風の方で韓国語で声をかけてみようかなと一瞬思ったがイチャコラされていたのでそっとしておいた。

 

機内には赤ちゃん~3歳未満の子連れ家族が2組いて彼らがアイドル的存在としてCAさんと搭乗客へ愛嬌を振りまいていた。

そうこうしているうちに離陸後30分すぎた頃からCAさんが配膳の準備に取り掛かっているのが伺えた。

 

隣のカップルもそろそろ配膳なんだね~みたいない雰囲気で周囲を見渡していたその時だった。

数名の男性が配膳を待たずして食事を持ち運んでいるではないか。

 

え、、、、????

 

自主的に食事取りに行ってええ感じ?CAさんの仕事では?と同じことをを思ったのか

私と隣の韓国人ぽい彼女、その彼と顔を見合わせたのを鮮明に覚えている。

 

言語を超えてお互い思ってることが一致した瞬間だった。

 

こ、これはイスラエル人特有の国民性なのか?

それともこの機内の搭乗客がたまたませっかちな性格だからか?と疑問符が止まらない中、数人の方がCAさんの配膳を待たずして食べ始めているのを目撃。

もしかしてこれが通常運転なのか、このフライトは?と多少ざわついた心を落ち着かせつつ、日本人ならばここは静かに待つのがベストと心に決めCAさんから食事の選択肢を聞かれるまで静かに待っていた。

 

すると数分後・・・

先ほど配膳を自分で取りに行った客席にCAさんが急いで駆け寄っているではないか?

何事?と思いながら見つめると搭乗客から食事セットを取り戻しさっそうと通路を歩いているCAさん。

またもや隣のカップルと顔を見合わせ、やはり自分で取りにいくスタイルではなかったようだね、と頷いた。

 

・・・

 

イスラエル到着後、この事態について気になったので彼に質問した。

 

彼も第一声、うーん。と首をかしげる。

これはやはり「人による」ということなのか?と頭の中で受け入れようと思った次の瞬間、

彼が思いだしたかのように話始めた。

 

彼:人によるかもしれなけど、イスラエル人はユダヤ教を信仰している人がほどんどだから、食べられる食事とそうでないものがあるっていうのは知ってるよね。いわゆるコーシャ (Kosher)フードかそれ以外か。

 

私:うん、知ってるよ。

 

彼:おそらく自分で食事を取りに行った人たちはコーシャ (Kosher)フードかどうかを確認したくて先に食事についてCAに聞きに行って食事を持って行ったんじゃないかな?多分その可能性は十分にあると思うよ。

 

私:へ~、そうなんだ。にしてもアグレッシブだね。

 

・・・

 

などど会話した記憶がある。

 

にしてもだ、アグレッシブすぎやしないか。信仰が絡んでたとしてもなんかアグレッシブだ。

日本人でアレルギーがある人でもCAさんの食事チョイスの質問を待つはず。

よくも悪くも主体性強つよだなという第一印象を持たざる得ない機内での出来事だった。

 

 

アブダビ→テルアビブ間での食事写真はこちら↓

パンケーキとスクランブルエッグどっちにする?と言われ迷わずパンケーキで!と選択。

 

右上に映っているのがマンゴーとオートミールとヨーグルトぽいものを混ぜたもの。

右下が貴重なフルーツ。スイカ、メロン、梨だったと思うがどれも固めで味は薄かった。

パンケーキの上のソースはリンゴとシナモンを混ぜた甘めのソース。全ておいしくいただいた。

 

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さてさて長くなりましたがここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

次はいよいよ生活編について振り返っていこうかと思います。