高市首相の「台湾有事」発言は、日本の軍国主義復活の現段階を示唆するものであり、中国からの批判を受けようが、受けまいかに拘わらず歴史的必然である。同時に“日本の軍国主義復活”が、日本人の「歴史健忘症」のもと、遂に、ここまで来たこと示唆するものである。

明治以来の日本軍国主義は、アジア・太平洋戦争で木端微塵に打ち砕かれた。日本軍国主義のアジア諸国民に対する歴史的罪責は深く重い。戦争を体験した人々は、自分たちが朝鮮半島や中国大陸で何をしてきたのか、知っていた。日本国憲法九条の「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。/前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と言うのは、アジア諸国民に対する歴史的罪責に対する日本国民の贖罪と未来への決意であった。

しかし、残念なことに、米国のマッカーサー元帥が天皇裕仁の上に立つことによって、日本は旧ソ連を仮想敵国とした「反共の砦」の一角を形成するために再軍備化し、日本軍国主義の担い手であった戦犯勢力の大部分が歴史的に総括されないまま温存されることになった。事実上の「統帥権」をもつ米軍の従属下、自衛隊の軍事力が次々強化され、「暴支膺懲」を掲げてアジア侵略に突進した勢力の子孫は、歴史的罪責に対する贖罪の意識の薄まりとともに「歴史修正」に乗り出した。「武器輸出三原則」、「非核三原則」、「軍事費のGNP1%以内」、「集団的自衛権の禁止」等々の憲法上の自制が吹き飛ぶのは、時間の問題であった。

高市首相の「台湾有事」発言は、日本軍国主義復活の、そして日本国民の「歴史健忘症」の必然的結果なのだ。