数学の定理にゲーデルの不完全性定理というものがあります。

 

数学の天才というと、18世紀のレオンハルトオイラーであるとか、フリードリッヒガウス、また、ラマヌジャンというインドの数学者を上げる人もいるでしょう。

 

私は、その天才の一人にクルトゲーデルも挙げられるべきだと思います。

 

ゲーデルの提唱した、不完全性定理、それは、数学を根底から揺るがすものであります。

 

更に、我々の、「知によって生み出された文明全体」を根底から揺るがすような定理、であると言っても良いでしょう。

ゲーデルの不完全性定理

ゲーデルの不完全性定理は第一定理、第二定理に分かれており、以下の通りとなります。

 

  不完全性第一定理:数学には証明も反証もできない問題が存在する。

 

  不完全性第二定理:数学は自分自身が無矛盾であることを証明できない。

 

簡単に言うと、数学という体系が正しいかどうか証明できない、と言ってよいでしょう。

 

簡単な例を出すと、三角形の内角の和は180度である、これは、多くの人が正しいと思うことでしょう。

 

しかし、実際には、ユークリッド幾何学という平面を扱う幾何学では成り立ちますが、曲面を扱うリーマン幾何学においては、三角形の内角の和は180ではありません。

 

ある特殊な条件(ユークリッド幾何学)では成り立ちますが、より一般化(リーマン幾何学)すると、それが成り立つかどうかは分からないわけです。

 

要は、集合論にもなるわけですが、その一般化は、どんどん広がり、人間の認識で、その広がった先を認識することができない(と思われる)ため、実際に、数学と言う体系自体が、あらゆる条件を取り払った状況下でもなお正しいかは分からないわけです。

知の限界とそれを超えるもの

ゲーデルの不完全性定理は、数学の分野における話ですが、これをより一般化して、知の領域で考えても同じことです。

 

結局、人間は知によって物事を考えますが、この知が正しいかどうかを証明することはできません(主観と客観の一致問題)。

 

つまり、人間が考えていること、認識していることが果たして正しいのかどうかを知的に判定・証明することができない、わけです。

 

従って、実際に人間が「これが正しい」と認識したことで、間違っているという事が往々にしてあるのです。

 

その例が、戦争であったり、経済危機、また、地球環境破壊/温暖化、といったものになるでしょう。

 

では、人間が考えることは全て不確かなのか?知と言うものは信用ができないのか?

 

これに対して、知によっては知の正しさは証明不可能であるが、その他の方法によって、知に信頼性を与えることが可能である、と私は提唱したいと思います。

 

それは、以下の著書『神と真理(改訂版)』(amazon)の主題になりますが、また、別途記述してみたいと思います。

 

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