時間が存在しない。

 

これはどういうことでしょう?

 

カルロロヴェッリという物理学者が『時間は存在しない』という本を出していますが、この本の中でループ量子重力理論という難しい理論を使って、時間が存在しないことを話しています。

 

おそらくみなさんは、時間と言うものは、過去から現在、未来へとチューブのようにつながっていて、我々はその時間のチューブの中を過去から未来へと動いていく。そのような認識を持っていると思います。

 

左から右へとチューブが進んでいくのであれば、過去は過ぎ去った過去として、そのチューブの左の先に存在し、また、未来はまだ来ぬ未来として、そのチューブの右の先に位置する。そのような認識を持っていると思います。

 

しかし、以前アウグスティヌスの時間論として、以下お話ししましたが、実際はそうではないということです。過去とは、チューブの先の過去と言う時点に存在する過去ではなく、「今現在存在する過去」であり、未来とは、チューブの先の未来という時点に存在する未来ではなく、「今現在存在する未来」であるということです。

 

結局のところ、通常我々が思っている、「時間のチューブ」など存在していないのです。

 

今現在という一点しか存在していません。過去現在未来は今という一点に存在しているのです。時間は今現在という一点にしか存在せず、そして、今現在という一点が常に変化しているということなのです。

 

 

分かりにくいと思うので、おそらく物理次元と意識次元で分けて説明する必要があるでしょう。

 

物理次元には、空間しか存在しません。時間はありません。空間しか存在せず、その空間が変化する性質を持っているということです。変化可能な空間だけがあり、時間が存在しないがゆえに、常に、今現在という一点に存在し、今現在という一点で、パパパパと変化しているということです。そして、その変化はチューブの先に保存されず(チューブは存在しない)、常に最新の状態、つまり、今現在の状態だけが存在します。今現在という一点において、像がパパパパと切り替わっているということです。

 

しかし、我々は実際に動きを認識することができます。動きがあることによって時間を認識することができます。それは、どう説明できるでしょうか?

 

それが意識の作用と言うことです。意識がそれぞれの変化をつなぎ合わせる機能を持っているということです。「記憶」がそれに該当するかもしれません。それか、もっと根源的なものが意識作用としてあって、それが記憶として反映されるのかもしれません。いずれにせよ、人間の側で、変化をつなぎ合わせて、時間として認識する機能を持っているということです。それによって、時間として認識されるということです。

 

ですから、物理次元には時間が存在せず、時間のチューブは存在しません。現在という一点がパパパと変化しているということです。パラパラマンガみたいなものと言えるでしょう。そして、意識の側でそれぞれの変化をつなぎ合わせて時間として認識できる機能が存在する、ということで、つまり、時間とは、物理次元と意識次元の共同作業で創造されていると言うことになると思います。

 

 

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