前回、『幸せのためにたった一つの大切なこと』と題して、条件をつけないこと、を考えてみました。

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今回は、退屈、つまらないに関してです。

 

そして、実は、これも条件を付けないこと、と同じことになります。

 

まず、退屈やつまらない、という感情がなぜ沸き起こるのでしょうか?それは、おそらく、現状に対する拒否、ということになるでしょう。自分では、もっと面白いワクワクするような状況を望むのに、現実はそうなっていない。その自分がそうあってほしいと思い気持ちと現状の差、そのギャップが退屈やつまらない、という苦しみとして沸き起こると言えるでしょう。

 

これもまた、要求が多い人ほど、わがままな人ほど、現状に満足せず、退屈やつまらないと感じる度合いは大きいと思います。

 

この退屈やつまらないと言うことに対しては、その対応方法は2つあると思います。一点目は、もっと面白いことを見つけること。そして、もう一点は、現状にあれこれ注文をつけるのではなく、ありのまま受け入れることです。

 

前者は単純で、つまらないと思ったら、例えばスマホを見たり、YouTubeを見たり、または旅行に行ったり、他に何かないかやることを探すのでしょう。要は、暇つぶしです。

 

しかし、それでは、根本的な解決にはならないと思います。そのような解決策では、常に面白いことを探し続けなければなりません。それは苦しくないですか?

 

大切なのは、出来事にあれやこれやと条件をつけるのではなく、今あるがままを受け入れることです。

 

 

私は電車ではスマホを見ません。電車で時間つぶしのためにスマホを見ると、時間に耐える耐性が弱くなるからです。必要がある場合は別ですが、通常は、例えば30分電車に乗るとすると、30分じっと窓の外を(地下鉄であろうと)見て過ごしています。これすらも耐えられない人は多いと思います。

 

また、何もやらない時間というものを大切にしています。部屋の中で何もやらずに座り、心の深くを見つめます。静かな湖面を意識して、静寂を愉しむようにしています。すると、心が静かになり、その静寂心、平静の幸せをじんわりと感じることができるのです。そのように感じられるまで、静かに心を落ち着けていきます。優しさの中で意識が広がっていくのです。

 

また、そのような心で、表に散歩に出かけ、青い空や黄色がかって色とりどりになった木の葉を見たり、また、小川の水が流れて、キラキラする様子を眺めたりします。そういう静寂心の中でいると幸せを感じ取れるのです。

 

このようなことを言うと、「なんとつまらないことを言うのだろう、この人は。」と思うかもしれませんが、実際には、「電車にいるときにはスマホが無ければ」、とか、「時間が空くのはもったいないから予定を埋めなければ」、といろいろ条件をつけるほど、それだけ幸せから遠ざかっているともいえるのです。

 

つまり、刺激が無い時には常に退屈で苦しくなり、刺激を欲するからです。それを毎回毎回やることとになるので、常に気持ちが沈む必要があるのです。それは、ある意味地獄でしょう。その最たるが麻薬です。

 

刺激を欲するのではなく、刺激が無くとも大丈夫な自分を作っていことが大切なことではないでしょうか?そのためには、何もない状態でも心が安定していられる自分を作っていくことが大切ではないでしょうか?つまり、上記のようなつまらないことに、心の幸せを見出すことのできる人ほど、幸せになれるのです。

 

今の時代は、100年前と比較して、時間と言うものが非常に短縮されていると思いますが、しかし、明らかに昔と比較して今の我々の方が、退屈である、つまらない、と感じることが多いだろうと思います。この矛盾は何でしょうか?

 

明らかに、何かに依存していなければ生きていけない、何かが無ければ生きていけない、そのように耐性が弱くなっていると言えるだろうと思うのです。

 

そして、時間を埋めて、余裕の無い生き方をしている。社会全体が余裕がなくなっているから、不寛容社会であるとか階級社会であるとかの社会問題にもなっているのであろうと思います。

 

ですから、退屈、つまらないとして時間を埋めようとするのではなく、もっと心に余裕を持ち、何もない時間というものを愉しめるようになりましょう。この心の平静心が、実は、人生の基盤となっていくのです。それが退屈やつまらない、に対する本質的な解決策です。

 

私からのおすすめは、まず、電車でスマホを見るのを止めること。そして、日に5分でも10分でも何もやらない時間を持つこと、です。

 

それをやっていくうちに、退屈やつまらないという苦しみも徐々に無くなっていき、また、心の平静、充足感というものを持てるようになっていくことでしょう。そして、それが人生の基盤となり、より良い人生を生きる、そのベースとなっていくであろうと思います。

 

 

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