今は「ちむどんどん」がやっているので、ちょっと時機を逸したかもしれませんが、「カムカムエブリバディ」は大好きで毎朝8時が楽しみでした。3世代にまたがる100年のファミリーストーリーで壮大な内容。しかも、伏線が随所にちりばめられていて、それが最終的に回収されていく。そして、なおかつ感動がある。すごい!素晴らしい!の一言です。

 

また、様々な学びが入っていることも一つの特徴だったのではないかなと思います。

 

私が関心ある学びとしては、ひなた編に随所にちりばめられていました。ひなたは子供の頃、何をやっても長く続かない。夏休みの宿題もいつも友達にやってもらっていて、映画村で会った外人の男の子にあこがれて英語を頑張ろうと思っても3日であきらめてしまう。そんな中でばったりひなたの回転焼きのお店に外人の男の子がやってきました。英語を頑張っていれば話ができたのに、3日でやめてしまったため、何も話せず、外人の男の子はそのまま帰ってしまう。それで大泣きしてしまいます。

 

そんなひなたでしたが、お母ちゃんのるいがずっと英会話講座を聞いていて、17年でしたでしょうか?ずっと一日も休まず聞いていて、英語がペラペラになっている。それにものすごく驚きます。

 

そこから、ひなたは、一つ一つの小さなことを積み上げることの大切さを学びます。少しづつ英語を学んでいき、映画村の外人ツアーの案内役に抜擢され、最後には英語のラジオナレーションまでできるようになっていきます。川栄さんの英語の上達ぶりも素晴らしかったですね!

 

結局は、英語をぺらぺらにしゃべれるようになるにもまた、英語で案内役をやるにしてもナレーションをやるにしても一朝一夕では行けません。万里の長城が一つ一つの石を積み重ねてあのような壮大な長城となるように、毎日毎日の小さな積み重ね、毎日朝6時からやるラジオ英会話を聞き続ける、毎日一単語ずつ覚える、そういう積み重ねが大切であるということです。そうすることで初めて大きな仕事ができるようになるのです。大きな仕事は一発逆転ではなく、日々の平凡な小さな積み重ねによって行われると言うことです。

 

それをひなたは教えてくれています。

 

 

そして、その際に大切なことが、虚無蔵さんのおっしゃる「いつ来るか分からぬ日に備えて鍛錬を積み重ねよ」という名言でしょう。

 

多くの人は、鍛錬を積み重ねることに対して、また、英語を勉強することに対して、早く結果を求めようとします。そして、結果を焦り、結果が出ないことにいら立ち、その中で、鍛錬することを止めてしまいます。あと少し鍛錬すれば、扉が開かれるのに、それがいつ開かれるかが分からないがために、止めてしまうのです。

 

その典型が五十嵐文四郎でしょう。一度、映画で重要な役を任されるものの、その後は鳴かず飛ばずで結局役者をあきらめて実家に戻ってしまいます。結局のところ、見返りや結果が得られないとそれが焦りとなり、あきらめてしまうのです。

 

そのような弱い人間の典型を文四郎という役割が演じています。

 

ただ、文四郎は、その一方で、虚無蔵さんに言われた木刀での素振りだけは続けていました。そして、その続けていたことがハリウッドの映画監督のサポーターとしての道を切り開きました。ここは、一旦あきらめたものの、しかし、一筋の光を見失わず、続けていくことによって、道が開かれる、そういった学びがあると思います。

 

一方で、虚無蔵さんもまた、60近くまで鳴かず飛ばずでそのまま埋もれるかと思われましたが、最後にはモモケンの相手役として選ばれ、スポットライトを浴びることとなります。もちろん、虚無蔵さん自身、それを望んでそうなったわけではありません。ご自身の言っている通り、「いつ来るか分からぬ日に備えて鍛錬を積み重ねた」からこそ、それが与えられたと言うことです。

 

その流れは、安子編からありました。つまり、ロバートローズウッドさんの「英語をずっと続けていなさい。それがあなたを導くでしょう」という言葉にあると言えるでしょう。それが、最終的には安子とるいがもう一度再開し、心が通じ合う、その流れにつながっているということです。

 

ですから、言えることは、「小さなことをコツコツ積み上げていく、その大切さを学ぶこと。そして、結果を求め結果を焦るのではなく、ただ、ひたすらそれを続けていくこと」、ということだろうと思います。その結果として、カムカムのように結果が与えられることがあるということです。

 

 

 

さて、一方で結果が与えられない場合はどうするでしょうか?

 

これはカムカムでは描かれていないと思います。そして、「結果が与えられないのであれば、やはり努力は無駄ではないか?」と多くの人は文四郎のように言うでしょう。しかし、実際のところは、結果が与えられなくとも、それは良いのです。

 

大切なことは結果ではなく、自分自身が結果や見返りに執着することなく、ただひたすらにコツコツと積み上げていったこと。そのような心を持ち続けていけたこと。それが、心の財産となると言うことです。本当の結果とは、この心の富を蓄積していくことです。

 

結果は与えられればそれはそれで良いですが、結果が与えられないのであれば、それを続けていくことは困難なことでしょう。しかし、その困難さを克服して、さらに続けられると言うことは、それは並の人間ではありません。それだけの心境にあるということです。ですから、結果が与えられなくとも、変わることなく続けていけることは、そのような心境に達しているということであり、心がより深く成長しているということとなります。ですから、結果が与えられていることも同じことなのです。

 

私自身はあの世を信じ、生まれ変わりを信じています。人間は生まれ変わりを繰り返しながら、魂の成長を目指し、多くの人と愛を分かち合っていく存在であると信じています。

 

その前提に立つのであれば、今世結果が得られなくとも、続けていけば必ずいつかは結果が出るのです。それよりも大切なことは、結果が出ずとも続けていける、環境や結果に左右されない心を作ることです。途中でやめては来世以降に出る結果も出なくなるのです。ですから、大切なことは環境や結果に左右されずに続けていくことです。

 

それを忘れないでください。

 

余談ではありますが、「ちむどんどん」の二―ニーも、最初は「おれはビッグになってやる!」と一発当てようとして、詐欺にかかりまくっていたわけですが、最近になって、養豚場で地道に働くことの大切さを学んでいます。清恵さんとも無事うまく行ってよかったですね。

 

私の著書、『出世競争から外れたときの心構え』、『この世とあの世を貫く幸せ』にも、関連する内容が記載されています。こちらもご参照ください。

 

 

また、より深い内容については、以下のwebサイトご参照ください。

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