12年ぶりに鳴った電話。第一話、やるせなさ。 | ほたるいし ★ スピンオフ

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みなみ東北 福島の小さな写真館 「 ほたるいし 」の管理人が気ままに更新する スピンオフブログです。


4月21日、アメンバー限定を解除しました。




ある日の午後のお話しです。

テレビで地震関係の報道番組を見ている時、
近くにあったケータイが鳴りました。

発信者表示には、
学生時代のクラスメイトの名前。

同窓会後 12年ぶりの電話です。

被害の少ない福島市内で、
安否確認もなかろうと思いつつ、
なにげなく電話に出ました。

まずは久しぶりなのでお互いの近況報告。
そして話は本題へ。

同窓会にも来ていた A氏が入院中とのこと。
更に話を聞くと、病状は末期ガン。

同級生が末期ガン?
ショックです。

早速、身支度して病院へ。

30分後、
電話の主 B氏と病院の玄関で合流。

久しぶりの挨拶も一言二言で済ませ、
そのまま中へ。

その日の天候は曇り。

院内は震災の影響か、
廊下や階段の明かりが消されており、
一層私の心に重くのしかかるかのようです。

病室の前で A氏の名前を確認し、
中へ入ります。

B氏が先にベット周りのカーテンの隙間から
慣れたようにベットの横へ。

B氏に続いて私もベットの横へ。
そこには、すっかり変わり果てた A氏が。

顔も体も痩せ細っていましたが、
瞳はしっかりしており、
以前ほどの元気はありませんが、
話しもできます。

久々の再会でしたが、
私のこともちゃんと憶えていてくれました。

そこで B氏が財布から取り出したのが、
私の撮影した同窓会の集合写真です。

目をこすりながら、一生懸命に見ています。

ただ、複雑な心境であるのがうかがえます。

そんな様子をベットの横で見ている私たち。
切なさを抑えながらも、
懐かしい学生時代の話しができました。

途中で他のクラスメイトも到着し、
話しを盛り上げてくれました。

ひとしきり話した頃、B氏が帰宅。

その後も日没の頃まで話しをし、
やって来たご親族に挨拶した後、
クラスメイトと病室を後にしました。

帰宅して
写真のネガフィルムを探し出しました。

あとは写真店が営業を再開するの待って、
他の写真も届けたいと思います。

$「 ほ散歩 」-12年ぶりの電話


数日後、仕事の合間にふと外を見ると、
きれいな夕陽が沈もうとしています。

思えば A氏の居る東向きの病室からは
夕陽が見えません。

おそらく彼はもう、
西に沈む当たり前の夕陽ですら
見ることなく逝ってしまうのかと思うと、
なんとも切ない日没です。

そして、
待ちに待った週末がやって来ました。

これから、
営業している写真屋さんが無いか
探したいと思います。

写真を届けるまで、
命の炎が燃え尽きませんように。