もう5年以上前になりますが、私が勤務医時代によく手術をしていたのは「傷の小さい手術」として腹腔鏡手術というものでした。



この手術で皮膚を切る部分は「お臍」と「下腹部の3〜4箇所を1cm程度」になります。


お臍の傷の部分は、お腹の中を見るための内視鏡というカメラを入れるために使います。


下腹部の3〜4箇所の傷は、そこから入れた細い鉗子という手術器具を操作して手術するために使います。



お腹を大きく開けて手術するのと異なり、かなり傷が小さくて術後の痛みが軽く済むメリットがあります。



今でも多くの病院で腹腔鏡手術は行われているのですが、同じ内視鏡を使った手術の方法として、お臍からカメラを入れるのではなく、腟の方からカメラを入れて、更に鉗子もカメラの真横から入れる「vNOTES: 経腟的腹腔鏡手術」Vaginal Natural Orifice Transluminal Endoscopic Surgeryという手術方法が出てきました。


この方法だと、お腹には全く傷がつかないために、術後の痛みも相当楽に済むことになります。



あまり大きい子宮筋腫だと難しい可能性があるのですが、それほど大きくない子宮筋腫や卵巣腫瘍であれば、お腹に傷を付けずに手術できる可能性があるのです。


まだ比較的新しい術式なので、すべての婦人科で対応できるわけではありませんが、vNOTESで検索すると対応できる病院が出てきますので、もし手術が必要な方がおられましたら、検討してみてくださいね。