生理初日から次の生理初日までが25〜38日の場合は規則正しい生理周期なのですが、それより短くなったり、長くなったりする場合は、排卵のリズムが崩れている可能性があります。
中には何ヶ月も生理が来ていない、と言う方も。生理痛やPMSがないので、生理は来ない方が良いと放置される事もあるのですが、3ヶ月以上生理がこない場合には、より注意が必要です。
本来、生理というのは子宮の内側にある「内膜」という部分が剥がれ落ちて出血として出てくる現象です。
その内膜が3ヶ月以上剥がれずに子宮内にとどまり続けると、ごく稀にではありますが、そこに癌ができる事があります。
そのため、3ヶ月以上生理がこない場合は、厚くなった子宮内膜を一度剥がす必要があるのです。
その際によく使う薬は「デュファストン」と呼ばれる黄体ホルモン製剤です。
黄体ホルモンは、本来は排卵後に自然に体の中から出てくるホルモンですが、これを薬として服用することで、擬似的に排卵後の状態を作り出して、生理をこさせる形になります。
デュファストン自体は自然に作られる黄体ホルモンに非常に近い特徴を持っているため、副作用が出る確率は非常に低く、問題なく飲める事がほとんどです。
このデュファストンを10日前後飲む事で、飲み終わって数日して生理が来ることになります。
ただし、それは子宮内膜が厚くなっている場合に限った話。
黄体ホルモンは、厚くなった内膜を維持し、その後に黄体ホルモンが無くなる事で維持できなくなった内膜が剥がれるため、剥がれるものがなければ何も起きません。
こうして、内膜が厚くなっている場合に癌のリスクを下げるための治療を行います。
ちなみに、ピルやジエノゲストといった生理痛の治療薬を使っていると、何ヶ月も生理が来なくなる事があります。
これは排卵を抑える事で内膜を非常に薄い状態に保つことで生理が来ない状態によるものなので、新たに黄体ホルモンを使って生理を来させる必要はありません。
以上が何ヶ月も生理がこない場合の注意点となります。
心当たりがあるなら妊娠検査薬で妊娠の有無をチェックしてもらう事が大切ですが、そちらが否定できていて、3ヶ月以上生理がこない場合にはご相談ください。