先日は子宮頸がんと葉酸の関係についてブログを書きました。




葉酸サプリを摂取することで異形成が改善する可能性がある、という結論だったのですが、今回は新たに別のサプリである「AHCC」について見ていきたいと思います。



AHCCとは、シイタケの菌糸体を培養して作られた抽出物で、北海道の会社が開発したものになります。





このAHCCと子宮頸がんの原因として重要なHPV(ヒトパピローマウィルス)との関係を調べた論文がこちら。






対象

2年以上高リスクHPV感染が持続している30歳以上の女性50人。


1日1回のプラセボを12か月間服用する群25人と、AHCC 3gを1日1回6か月間服用した後にプラセボを6か月間服用する群25人に分かれてもらいました。


3か月ごとに、HPV感染の有無と、INF-α、IFN-β、IFN-γ、IgG1、Tリンパ球、NK細胞と言った免疫マーカーを調べました。


12 か月の研究期間の終了時に、プラセボ群の患者には、更に6 か月間 AHCCサプリを摂取するオプションが与えられました。


結果

高リスクHPVの女性50名のうち41名が試験を完了しました。


AHCC群の患者22名のうち14名(63.6%)は6か月後にHPV陰性となり、14名中9名(64.3%)はサプリ内服終了から6か月後にHPV陰性が持続していました。


プラセボ群では患者19名のうち2名(10.5%)が12か月後にHPV陰性でした。


試験継続を選択したプラセボ群の患者12名のうち6名(50%)がAHCC補給から6か月後にHPV陰性となりました。



登録時点で、持続性 HPV 感染が確認された女性の IFN-β の平均値は 60.5 ± 37.6 pg/ml でした。


AHCC サプリを摂取した女性では、IFN-β が 20 pg/ml 未満に抑制されることと、T リンパ球と IFN-γ の増加が、HPV 感染の排除と関係していました。



このように、AHCC 3g を 1日1回摂取すると、免疫系をサポートして持続的な HPV 感染を排除するのに効果的である可能性が指摘されています。



また、一つの指標としてIFN-βを 20 pg/ml 未満に抑制することが、HPV感染の排除の目安になる可能性も考えられる結果でした。




AHCCを半年内服すると、それまで持続感染していた人の6割近くが感染陰性化するのは非常に興味深い結果ですね。



ただ、そこで内服を中止すると、陰性が続くのは更に6割、つまり当初の3割程度まで落ちてしまうので、半年だけではなく、継続してAHCCを内服し続ける方が良いのかもしれませんね。