以前、子宮の手術をした後にヒアルロン酸を使うことで、子宮内の癒着を防げる、というブログを書きました。
2020年の論文では
「子宮の中の手術をした952人で検証したところ、ヒアルロン酸ジェルを使う事で、子宮内の癒着のリスクが0.42倍と半減していました。
また、術後の妊娠率は1.94倍となっていました。」
という結果でした。
そこで、また新たに論文が出てきたので、見ていきたいと思います。
こちらは、子宮内の手術をした後に癒着予防でヒアルロン酸を使用した12件の論文、1,579人についてまとめた2022年の論文です。
結果
子宮内の手術をした後に癒着を起こす確率は、ヒアルロン酸を使う事で0.50倍に下がっていました。
手術別で比較すると、子宮頸管拡張・掻爬術(流産や中絶で行われる事がある手術)では、癒着リスクが0.42倍、子宮鏡手術では0.55倍に下がっていました。
使用したヒアルロン酸の量で癒着リスクを比較すると、10mlでは0.40倍、5mlでは0.34倍と効果的でしたが、5ml未満では明らかな効果は認められませんでした。
術後の妊娠確率も、ヒアルロン酸を使う事で1.39倍と高くなっていました。
以上のことから、子宮内の手術をした後の癒着予防や、妊娠確率を上げる対策としては、ヒアルロン酸を5ml以上使う事が効果的だと言えそうです。
ヒアルロン酸自体が安くない事や、子宮内の手術など保険診療を行っている病院で、更に自費でヒアルロン酸を使う事はできないため、なかなか日本で対応してくれる病院がないのが難しい所です。
もし、ヒアルロン酸だけ試してみたい、という方がおられましたら、当院で対応可能なので院長外来までご相談下さい。