生理痛や過多月経の原因となる


子宮腺筋症


は、処方薬としてはピルやディナゲスト、ミレーナ、閉経に持ち込む薬などが選択肢になるのですが、それでは上手くコントロールできない事もある、なかなか手強い疾患です。



処方薬以外の市販サプリでは


カテキン


が効くかも知れない、というブログを先日書きました。




そこで、カテキン以外のサプリで何か効くものがないか調べてみたところ、今回は


レスベラトロール


という物質についてデータが出てきたので、見ていきたいと思います。




このレスベラトロールという物質は、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であり、赤ワインやピーナッツの薄皮に含まれているものです。







この論文では、子宮腺筋症のあるマウスを対象に、低用量のレスベラトロール(25mg/kg)、高用量のレスベラトロール(50mg/kg)を3週間投与して評価しています。



その結果、レスベラトロール投与群では子宮腺筋症による子宮肥大化を抑える効果が認められました。





そこで、実際に人間を対象としたデータを見て行きたいと思います。








この論文では、ピルの服用では痛みが取りきれなかった12人を対象に、子宮内膜症に対するレスベラトロールの効果を検証しています。



ピルに加えて、30mgのレスベラトロールを2ヶ月間内服してもらったところ、82%の女性が生理痛や骨盤痛が完全になくなったと回答しました。


また、子宮内膜症の手術を受けた42人を対象に、内膜症組織内の痛み物質や内膜症の悪化に関わる物質を調べたところ、術前にピルのみ内服していた方より、ピルにレスベラトロールを併用していた方のほうが、痛み物質/内膜症悪化物質の量が少ない結果でした。


以上の結果から、内膜症による月経困難症で困っている方は、ピルなどのホルモン治療に加えてレスベラトロールを追加してみるのも選択肢になりそうです。




生理痛というのは、基本的に年齢と共に酷くなっていくことが多く、特に子宮腺筋症というのは子宮の壁がどんどん厚くなってしまい、生理痛だけでなく生理の量も非常に増えてしまう厄介な病態です。



ピルやディナゲストによって、ある程度痛みはコントロールできる事が多いのですが、もう一つ効果を期待する場合には、今回のレスベラトロールを試してもいいのではないでしょうか。