以前、卵巣年齢と言われるAMHという採血検査項目と閉経の関係についてブログを書きました。





今回もまた新たにAMHと閉経年齢に関する論文が出てきたので、見ていきたいと思います。









この論文では、28,858人の女性を対象にAMHと閉経の関係を調べています。



今まではFSHという検査項目の高さが閉経と関連があったのですが、AMHが測定できないほど低い場合も閉経と関連のある事がわかりました。



一方で、生理が来ない期間が1年間あれば閉経と判断してきた中で、AMHの数値で1年間より早く閉経を判断できるかどうかを検証した論文はありませんでした。




しかし、AMHと閉経年齢を評価した23,835人のデータでは、AMHが低いほど閉経年齢が早くなる傾向が認められました。


また、現在無月経だったり、早発卵巣不全(40歳未満での閉経)となったご家族がいる方では、AMHが測定できないほど低い場合に早発卵巣不全を早期に診断できる可能性がありました。





ただ、40歳未満でAMHが低いだけでは、閉経までの年齢が2〜12年と、かなり幅がある結果で、閉経年齢を正確に予測するのは困難でした。



実際のグラフを見てみると、





このように、閉経する年齢に向かって全体的に年単位でAMHの数値は下がっていく傾向があるのですが、、、






(黄色いグラフがAMHの低い方、緑のグラフがAMHの平均、ピンクのグラフがAMHの高い方です。何歳で閉経したかを示しています)



このように、AMHの数値が低い人と高い人で閉経する年齢分布がクロスしている部分がかなり多く、具体的に何歳で閉経するかを予測するのは難しい事がわかります。



不妊治療において、AMHがあまり低すぎると、ひょっとしたら閉経が近いかも知れない、ということから体外受精など積極的な治療をお勧めすることはあるのですが、本当に閉経が近いかどうかは、なかなか予想が難しいのが現状ですね。



体外受精の必要性を判断する意味では、ブライダルチェックの一つとして調べるのも一つの選択肢なので、興味がある方は一度相談してみてください。