生理前の調子の悪さであるPMSに対して、先日はフルーツを食べることが有効である、という論文をご紹介しました。
今回は、日本の学生さんを対象に、生活習慣とPMSの関係を調べた論文を見ていきたいと思います。
対象
仙台市の高校生1,818人。そのうち、生理周期が規則正しい(25〜38日)1,022人が質問に答えました。
結果
PMS: 9.7%(1022人のうち99人)
PMDD: 2.2%(1022人のうち22人)
(PMDD: PMSの症状の中でも「気分の落ち込み」や「イライラ」などの精神症状が強く出て、日常生活に支障が出ている状態)
PMDDも含めてPMSがある群として検証したところ、PMSのリスクとしては、
・生理痛: 4.74倍
・睡眠障害: 2.2倍
・疲労骨折: 2.19倍
・インターネットの長時間使用: 1.003倍
が挙げられました。
一方で、スポーツクラブに所属することで、リスクが0.57倍になっている以外に、朝食摂取や食事でよく噛むこともリスク軽減に寄与していました。
このように、学生におけるPMS症状に対しては、日常の生活習慣や食習慣が影響している可能性があります。
場合によっては、様々な体調不良が生理周期と関係があることに気付いてない場合もあると思いますが、日常生活に影響するような体調不良があればカレンダーに簡単に記録してもらい、生理との関係性を見てもらうといいと思います。
その上で、婦人科としてはピルや漢方薬で対応することがあるのですが、それ以外に今回ご紹介したような生活習慣についても、一度見直してみて下さいね。