一般的に「前回早産」だと次の妊娠も早産になるリスクがあると言われています。
そこで、今回は「前回早産」という情報に加えて、更に早産を予想するのに必要な情報について見ていきたいと思います。
その情報とは
「産後の頸管長」
です。
子宮の出口の長さである「頸管長」は、妊娠中期に計測して、その妊娠の早産リスクを評価するために使うのですが、ここでは出産直後の頸管長というデータについて見ていきたいと思います。
正直、すでに出産が終わった後なので、その時点で頸管長を測っても意味がないため、私自身が分娩に関わっていた頃には一度も測った事はなく、今でも多くの病院で測っていないのではないでしょうか、、、
そんな「産後の頸管長」に関する論文がこちら。
この論文では、産後8時間、24時間、48時間、6週間経過した時点での頸管長と、その後の妊娠での出産週数との関係を検証しています。
対象
産後の頸管炎を計測した1,384人と、その後の妊娠での出産週数を調べた891人
結果
妊娠34週以前の早産群では、産後の頸管長が
産後8時間: 8.4mm vs 22.3mm
産後24時間: 13.2mm vs 33.2mm
産後48時間: 17.9mm vs 40.2mm
と、早産群の方が明らかに短い結果でしたが、産後6週間では違いがありませんでした。
早産に続く妊娠での出産週数を比較した891人では、早産を予想するスコアが、
産後の頸管長短縮: 0.66
前回早産: 0.57
と、産後の頸管長短縮の方が良い予想スコアになっていました。
(ここで用いている予想スコアは、0〜1で表されるスコアで、1に近い方が良い予想スコアとなります)
また、前回早産と産後の頸管長短縮を合わせたデータでは、予想スコアが0.74と、より良い結果となりました。
以上のことから、次回妊娠時の早産リスクを評価するには、「前回早産」という情報だけではなく、産後すぐの頸管長短縮という情報も大切だという事が言えそうです。
おそらく、多くの病院で産後すぐの頸管長は計測していないかと思いますので、もし可能そうであれば、産後の頸管長を計測してもらってもいいかも知れないですね。