先日、診察が終わった帰り道で、前から歩いてくるお婆さんに話しかけられました。







背中を丸めてひそひそと話す様子なので、こちらも少しかがんで、耳を傾けてみると







「お恥ずかしい話なんだけど、手持ちがなくなっちゃって。朝から何も食べてなくて、あそこのコンビニでパンを買いたいから、300円だけ貸してくれないかしら」






とのこと。






いきなりお金を貸して欲しいと言われたの初体験です。






いや、中学生の頃にスーパーで高校生に囲まれてお金を「貸した」事はありました。





まだ返してもらっていないので、心当たりのある方はご連絡お待ちしています。。。








それはさておき、少しあやしいなと思ってしまったのですが、







「家に帰ったら、お礼の〇〇(地方の特産品)をお送りしますから」






と、どうやら地方から出てこられた様子。







本当に朝から何も食べてないのだとしたら、さすがにお断りするのは気が引けてしまいます。







かと言って、お礼の品を送るから住所を教えて下さいと言われて、住所を教えたら、何かお礼が貰えるからお金を貸したんだと思われそうで。








財布の中を調べてみると100円玉が数枚。







正直、見ず知らずの人にお金を渡すのは初めてで、何て言いながら渡せばいいのかわからず、頭をフル回転させて、出てきた言葉は







「お礼はいいですから、これで美味しいもの食べてください」









これ、1万円札とか渡しながら言うセリフでした。。。






300円しか渡してないです。







それでもニコニコと笑顔になってくれたお婆さんから「ありがとう」と言われると、300円渡してよかったのかな、と。









コロナの影響で、本当に家とクリニックの往復しかしていなくて、その間に誰とも関わる事がなくすぎた1年間。








そんな1年間の中で、300円を介して他の方と関われた事を少し嬉しく感じた出来事でした。







なお、300円をお貸ししたお婆さんが、実はどこかの社長で、後日私のところに大きなお礼が届くことになるとか、私がピンチに陥った時に、光り輝く空からあのお婆さんが降りてきて「あなたが貸したのは300円ですか?3億円ですか?」と聞かれるとか、そんな続編があったら、またブログにしたいと思います。