先日、集束超音波治療という方法で子宮筋腫が治療できる、というブログを書きました。、
今回は、その集束超音波で産後の胎盤遺残が治療できるかも、という論文をご紹介したいと思います。
本来、出産後には胎盤が自然に剥がれて出てくるのですが、稀に胎盤が子宮と癒着してしまって、全く剥がれない事があります。
そういう時には無理に剥がそうとすると大出血してしまうので、そのまま胎盤を子宮の中に残す事があり、それを「胎盤遺残」と呼んでいます。
この論文では、4つの研究に含まれる399人の患者さんで、遺残胎盤に対する集束超音波の効果を検証しています。
遺残胎盤の大きさは平均61.74㎤(6.01〜339)で、治療は全員で成功しました。
正常な生理周期が戻ったのは平均48.8日(15〜150)で、問題となるような大きな合併症はありませんでした。
他の治療法と比較すると、その成功率は
・子宮動脈塞栓術 83.7%
・子宮内に圧迫の為のバルーンを留置して自然に剥がれるのを待つ方法 92.9%
・圧迫縫合 87.9% (詳細な記載はないのですが、止血のために子宮を縫って圧迫し、自然に胎盤が剥がれてくるのを待つ方法かと思います)
・胎盤が癒着している子宮の筋肉ごと切除 79.3%
(これは下のブログで説明したような治療法と思われます)
このように胎盤が遺残した場合の治療法にはいくつか手段があるのですが、集束超音波という方法も一つの選択肢になると言えそうです
問題は、日本国内で集束超音波ができる施設が非常に限られている、、、ということですね。
子宮筋腫の治療にしろ、遺残胎盤にしろ、手術せずに治療できる方法として、もう少し国内に広がってくれるといいのですが、、、
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