重たい布団を使う事で、
・酷い不眠症が50%以上改善する確率が26倍
・不眠症が改善する確率が20倍
重たい布団というのは、肌の触覚や筋肉・関節の感覚を刺激し、マッサージする効果もあるのですが、そういった刺激が副交感神経を刺激し、交感神経を抑える事で、不眠症を改善すると考えられています。
この研究では、120人(68%が女性、32%が男性)が参加しました。いずれも不眠症と診断され、うつ病や双極性障害、ADHD、不安障害などの精神疾患も伴っている平均年齢40歳の方々です。
重たい布団か普通の布団を使う群に分けて、4週間継続してもらいました。
重たい布団群では、8kgの布団を使い、そのうち10人は重すぎると感じて6kgに変更しました。
通常の布団群では、1.5kgの布団を使ってもらいました。
その結果、重たい布団群では4週間後の不眠症スコアが50%以上減少している人が60%近くに達しました。
一方で通常の布団群では5.4%だけでした。
また、不眠症スコアが7点以下である「改善」に達したのは、重い布団群で42.2%だったのに対し、通常の布団群では3.6%だけでした。
観察した4週間が経過した後、参加者たちは1年間重たい布団を使える選択肢を与えられました。
重たい布団の種類として、6kgと8kgのチェーンを使った布団、6.5kgと7kgのボールを使った布団をテストした結果、多くの人は、より重い方の布団を選びました。
1人だけ重たい布団を使うことで不安感が増したという事で観察期間を中断しました。
通常の布団から重い布団に変えた人は、最初から重い布団を使っていた人と同じような効果が得られました。
1年後、重たい布団を使っている人の92%で不眠症状が軽くなっており、78%では改善が認められました。
このように、不眠症で悩んでいる方は、重たい布団を使う事で症状が軽くなる可能性があります。
重たい布団に関しては、ネットで購入する事ができるので、不眠症で悩んでいる方は、一度試してみてもいいのではないでしょうか。
最後に不眠症のスコアとしての一つの指標をご紹介します。
「不眠重症度質問票」というもので、以下の7つの質問をチェックしてもらい、合計スコアで評価する方法があります。
・寝付きの悪さ
・途中で起きる
・目覚めが早すぎる
以上については、各項目ごとに
全くなし:0点、軽度:1点、中等度:2点、重度:3点、超重度:4点で計算してください。
・現在の睡眠パターンに満足していますか?
大変満足:0点、満足:1点、やや満足:2点、不満:3点、大変不満:4点
・周りの人はどの程度あなたの睡眠障害が問題なっていると気付いていますか?
全く気付いていない:0点、ほんの少し気付いている:1点、やや気付いている:2点、気付いている:3点、とても気付いている:4点
・現在の睡眠障害について、どの程度困っていますか?
全く困ってない:0点、ほんの少し困っている:1点、やや困っている:2点、困っている:3点、とても困っている:4点
・あなたの睡眠障害は日中の生活にどの程度影響していますか?(だるさ、気分、集中力など)
全く影響していない:0点、ほんの少し影響している:1点、やや影響している:2点、影響している:3点、とても影響している:4点
以上を全て足した時に、0〜7点:不眠症なし、8〜14点:不眠症前段階、15〜21点:中等度不眠症、22〜28点:重度不眠症に分類されます。