先日、性行為の時のデリケートゾーンの痛みについて、マインドフルネスという方法や、ボトックス注射によって軽快するブログを書きました。
マインドフルネスは、今回の痛みだけでなく、日常のストレスなどにも応用が効くので、ぜひ一度試してみてください。
さて、今回は、デリケートゾーンの痛みに対する別の方法をご紹介したいと思います。
先日のブログで麻酔作用のあるクリームを塗るという方法も紹介したのですが、この論文では、麻酔クリームと理学療法とを比較して検証しています。
対象となったのは、212人の女性。一方は、5%リドカインという麻酔成分の入ったクリームを眠る前にデリケードゾーンに塗る群、もう一方は週に一度の理学療法を受ける群に分かれてもらいました。
理学療法には、教育や骨盤底筋運動、用手療法、拡張が含まれています。
「用手療法」は、具体的にどのような治療かの記載がなく、詳細ははわかりませんでした。「拡張」に関しては、ダイレーターという細い棒から太い棒まで揃っている器具があり、それによって徐々に慣れていく治療法です。
そういった治療を10週間続けた結果、性行為の時の痛みの強度を10段階で評価した指標では、麻酔クリームより理学療法の方が平均して1.8ポイント、痛みが改善しました。
また、治療終了後6ヶ月経過した時点でも、やはり理学療法の方が平均して1.8ポイントの改善が認められました。
これらの治療結果の満足度については、「非常に満足」「満足」を示していたのが理学療法群の78%だったのに対し、麻酔クリーム群では39%でした。
このように、麻酔クリームにもある一定の効果が認められるものの、理学療法の方が効果が高くなる可能性がありそうです。
肝心の理学療法の内容ですが、ダイレーターという器具に関しては、ネットで購入していただいて、少しずつ慣れてもらう必要があると思います。
骨盤底筋運動に関しては、尿漏れ予防にも効くのですが、「おならが出そうになった時に我慢するための筋肉」を鍛える事が大切です。1日に何回も「おならを我慢する」動きをする事で少しずつ骨盤底筋が鍛えられるでしょう。
他には参考になるのは、こちらの「日本理学療法士学会」さんのホームページで、動画を元に解説されているので、参考にしてみてください。