「産後の肥立ちが悪い」と言って、出産後の体調不良を表現した言葉があります。
医学的には、そう言った体調不良の原因として、貧血があったり、甲状腺というホルモンバランスが崩れていたりすることがあるのですが、中でも「産後うつ」という状態も見逃せません。
産後うつとは、出産後から数ヶ月以内に起きることが多く、その指標としてエジンバラ産後うつ質問表というものがあります。
この論文では、産後1か月時点でのエジンバラ質問票で、9点以上を高スコア、8点以下を低スコアとして分類し、それぞれの産後1年での月経前症候群の評価を行いました。
対象となったのは200名、そのうち178名(89.0%)は妊娠前の重い月経前症候群の経験はありませんでした。
その結果、21名が高スコア群、89名が低スコア群となりました。
高スコア群の21名中4名(19.0%)と、低スコア群の89名中5名(5.6%)が、産後1年の時点で、重い月経前症候群の症状がありました。
以上のことから、産後1ヶ月の時点で産後うつの傾向がある方は、産後1年での重い月経前症候群のリスクがあると言えそうです。
妊娠中や産後間も無くの方は、このエジンバラ質問表を一度試してもらって、もし高スコアになるようでしたら、月経前症候群に対しても準備をするようにして下さいね。