小さいころ、水疱瘡になったことがある方は、体の中にずっと原因となるウイルスが残っています。
そして、大人になって免疫が落ちたときに、体の中のウイルスが再び活動し始め、帯状疱疹という発疹が出てくることになります。
50歳までは、年間1000人に2~3人が発症するのですが、50歳を過ぎると、その割合が倍以上になってきます。
一生のうちには、3人に1人が帯状疱疹になるともいわれていて、先日説明したようなワクチンでの予防が大切になってきます。
また、50歳以上の方は、2割近くの方に帯状疱疹の後も痛みがずっと続いてしまう後遺症が残ることも。
こちらの論文では、そういった帯状疱疹後の後遺症について調べています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27917531
この論文では、60歳以上の日本人における帯状疱疹について調べています。
1000人あたり10.2人が帯状疱疹となり、女性にやや多く発症していました。
平均して、5.7回の外来通院が必要で、入院の確率は3.4%でした。
帯状疱疹後の神経痛は9.2%、その他の合併症は26.5%に認められました。
帯状疱疹後の神経痛は、男性の方が2.51倍リスクが高く、70~74歳では3.51倍、免疫抑制剤を使っている方では6.44倍、最初から痛みが強かった方では3.08倍、上腕に発疹が出た方では3.46倍となっていました。
以上のように、帯状疱疹が治った後もずっと痛みが続いてしまうリスクを考えると、やはりワクチンを打っておくことは大切になってきます。
まだ年齢的に大丈夫だと思っている方も、身近なご家族や職場の方など、声をかけてあげてくださいね。