「女性アスリートの三主徴」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
これは、かなり激しいスポーツをしている女性が陥ってしまう「利用可能エネルギー不足」「無月経」「骨粗鬆症」という三つの特徴を表す言葉です。
無月経は、これまでにあった月経が3ヶ月以上停止した状態のことを言い、トップレベルの女性アスリートのうち、4割もの確率で無月経を含む月経異常があると言われています。
体操、新体操、フィギュアなど、体脂肪率が低くなりがちな審美系の種目で無月経になる確率が高くなります。
また、骨粗鬆症に関しては、卵巣から分泌されるエストロゲンが無月経により低下し、骨量が低下することになります。
それにより疲労骨折のリスクも高くなってしまうのです。
では、この三主徴はどの程度知られているのでしょうか。
https://www.jpagonline.org/#/article/S1083-3188(18)30346-2/fulltext
こちらの論文では、フェイスブックやインスタグラムのスポーツフォーラムを用いて928名のアンケートを取りました。
その中で712名は25歳以下のフィギュアスケーター、ダンサー、ランナーです。
60%はフィギュアスケーター、28%はダンサー、12%はランナーで、78%が17歳以下、22%が18〜25歳でした。
その結果、12%はアスリートの三主徴を知っていて、ランナーでは16%が知っていましたが、フィギュアスケーターは6%、ダンサーは5%しか知りませんでした。
60%の選手は三主徴に関する6つの質問のうち、3つ以上リスクを抱える方の答えを選んでおり、25%は3ヶ月以上生理がありませんでした。
また、34%は疲労骨折の経歴があったり、脛骨の痛みを抱えていました。
ダンサーは、フィギュアスケーターやランナーの2倍近く三主徴のリスクが高い結果にもなりました。
これだけ多くのリスクがあるのに、多くのスポーツ関係者にはほとんど知られていないのです。
アスリートや親、コーチにも三主徴に関する正しい知識を持っていただきたいと思います。