生理前になると、どうしても食欲が増えてしまう、という方は多いと思います。
今回は、その理由について説明したいと思います。
まず、生理がある程度規則正しくきている人は、生理開始日から2週間ほどして排卵します。
排卵後の卵巣には黄体というものが作られ、そこから「黄体ホルモン」が分泌されるのですが、この黄体ホルモンが排卵後から次の生理まで出続けるために、様々な体調不良が出現することになります。
黄体ホルモンには、水分を蓄えたり、腸の動きを抑える働きがあるため、生理前になるとむくみやすくなったり、便秘になりやすかったりします。
また、この黄体ホルモンにはインスリンというホルモンの働きを抑える作用があります。
インスリンの働きが抑えられると、食後に血糖値が急激に上昇します。その後、血糖値が下がる時に、その落差が大きければ大きいほど、体は「飢え」の恐怖にかられ、食欲が増えることになります。
そのため、生理前には食欲が増えてしまうことになります。
そこで、食欲が増えることも含めて、妊娠前の調子の悪さを改善するためには、婦人科ではピルを使うことがあります。
ピルは排卵を抑えるため、排卵後に出てくる黄体ホルモンも抑え込んで、症状を改善できることになります。
ただ、ピルそのものにも黄体ホルモンは微量ながら含まれており、その影響を受けてしまう方は、ピルを飲むことで逆に体調が悪くなってしまうことがあります。
そう言った場合は、ピルの種類を変えることで、そこに含まれる黄体ホルモンの種類も変わるため、症状が改善することがあります。また、何ヶ月か同じピルを継続することで、徐々に体が慣れていくこともあります。
以上、生理前に食欲が増えたり、体調を崩す理由について説明しました。
婦人科での治療が可能な事も多いので、困ったいるときは、一度相談してみて下さいね。